戦後と災後の間 溶融するメディアと社会
集英社新書 0938
出版社名 | 集英社 |
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出版年月 | 2018年6月 |
ISBNコード |
978-4-08-721038-5
(4-08-721038-3) |
税込価格 | 902円 |
頁数・縦 | 221P 18cm |
商品内容
要旨 |
フクシマ、トランプ、東京五輪問題に、パナマ文書、ポケモンGOのブーム、公文書管理の闇、そして日常に迫るテロリズム…。近年起きた無数の出来事が示すのは、メディアと社会の溶融である。本書では、東日本大震災後という意味での「災後」の二〇一〇年代に足場を置き、安倍政権とほぼ重なる「災後」の近景、それを一九九〇年代半ばからの変化として捉える中景、さらに戦後日本、なかでも七〇年代頃からの歴史に位置づける遠景の三重の焦点距離を通して戦後と災後の間を考察。未来への展望を示す。 |
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目次 |
第1章 記憶の災後―情報は誰のものか 二〇一三年四月〜一二月 |
出版社・メーカーコメント
東京五輪の開催に沸く日本。しかし2020年以後の世界はどうなるのか? それを知る鍵は、「災後」と称する90年代半ばにあった。本書は未来予測に役立つ思考法を提供。社会情勢を読み解く。
内容抜粋
◆推薦◆ 御厨貴氏(政治学者) 「戦後と災後の実相に迫り日本の今を語る。吉見、冴えてるな!」 中村桂子氏(生命誌研究者) 「ポピュリズムの時代。私たち一人一人が考え、賢くならなければ未来はない。「災後」を「戦後」に重ね合わせ、そこで起きる日々の社会事象の本質を語る本書は、考える時のよき指針となる」 ◆主な内容◆ 2013−2018年に起きた出来事を補助線に 2020年以後の世界を見通す! 【2013】 ◎薄れゆく原発事故の記憶 ◎深まる孤立と対米従属 ◎グローバルな情報監視と市民的自由 ◎文化的成熟が問われる東京五輪 ◎著作権保護は文化創造の精神で ◎「国民の知る権利」と公文書管理 【2014】 ◎展望なき米軍基地・辺野古移設問題 ◎NHK会長発言と公共放送の使命 ◎3.11の記録を統合する記憶庫を ◎「集団的自衛権」という言葉の怪 ◎マレーシア機撃墜「戦争」と「日常」の間は十数秒 ◎100年の時間軸で考える「地方創生」 【2015】 ◎恐怖の劇場国家「イスラム国」 ◎知的強靭さを育てる教育とは ◎安倍首相の米会議演説が示す日本外交の陥穽 ◎安保法案と「お守り言葉」 ◎国会前のデモに見る未来の兆候 ◎翁長沖縄県知事の覚悟 ◎「成長戦略」よりも「成熟」の未来像を 【2016】 ◎1950年代を演じる北朝鮮 ◎メディアが生んだトランプ現象 ◎「パナマ文書」とビッグデータ時代の調査報道 ◎混迷する都政に求められる「持続可能性」への転換 ◎「ポケモンGO」と空間の混乱 現実と仮想 ◎ゴジラの問い シン・ゴジラの問い ◎孤立主義の抗するのはグローバルな協働 【2017―2018】 ◎収縮の時代の排他的病理 進むのは世界の多極化 ◎「嘘八百」米大統領に見るポスト真実化 ◎加計学園問題と「政治主導」の暴力 ◎25年前に遡る「小池ブーム」の正体 ◎北朝鮮ミサイルで増す米国世論の危険性 ◎「寛容な保守」と「現実的なリベラル」の間で ◎「平成の終わり」で終わらない歴史の時間 ◎大学の2018年問題 未来への鍵は授業の質 ◎「災後」の未来 何が変わりつつあるのか