祝福
小学館文庫 な16−2
出版社名 | 小学館 |
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出版年月 | 2017年2月 |
ISBNコード |
978-4-09-406393-6
(4-09-406393-5) |
税込価格 | 660円 |
頁数・縦 | 277P 15cm |
商品内容
要旨 |
広告制作会社に身を置く私は、CF撮影で十七歳のモデル、サキと知り合う。自宅が近いということでサキを送って行くが、彼女は途中コンビニで大量のパンと菓子を買い込み「あなたの部屋に連れて行ってください」と懇願した。私の家に着くと、サキは購入した食べ物を一気に食べて今度はそれらをすべて吐いた。案じて私がサキの肩を抱くと彼女は「あたしと、セックスしたいですか」と訊く。「でも、するのは祖父の部屋だけにしてください」と続けた。サキの祖父の部屋に行くと、そこには斑ボケの始まった七十八歳の老詩人、長谷川がベッドに独りで横たわっていた。 |
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出版社・メーカーコメント
尊厳ある死を迎えるための老詩人の試みとは 広告制作会社でクリエイティブ・ディレクターとして働く42歳の私は、CF撮影で17歳のモデル、サキと知り合う。自宅が近いということもあり、サキを送って行くが、彼女は途中コンビニに立ち寄り、大量のパンと菓子を買い込み、「あなたの部屋に連れて行ってください」と懇願した。私の家に着くと、サキは購入した食べ物を一気に食べ、今度はそれをすべて吐いた。案じて私がサキの肩を抱くと、彼女は「あたしと、セックスしたいですか」と訊く。そして、「でも、するのは祖父の部屋だけにしてください」と続けた。後日、サキの祖父の部屋に行くと、そこには斑ボケの始まった78歳の老詩人、長谷川がベッドにひとり横たわっていた。長谷川はすでにほとんど寝たきりで、下の世話も自らままならずの状態。私はサキに頼まれ、長谷川を風呂に入れるが、老詩人の刺激的な言葉に共鳴するものを感じるのだった。以後も長谷川の部屋を訪れることになる私だったが、ある日、この老詩人の口から、彼が心に秘めていた計画を打ち明けられるのだった。