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天使たちの都市

韓国文学セレクション

出版社名 新泉社
出版年月 2022年12月
ISBNコード 978-4-7877-2223-2
4-7877-2223-9
税込価格 2,420円
頁数・縦 249P 20cm

商品内容

要旨

「韓国人男性が女性にやさしいのは知ってるわ。韓国ドラマを毎日観てるから。これからはうちの姉も韓国人よね。だから韓国の男の人が韓国人女性に接するように、同じように大事にしてあげてね。お義兄さんに望むのはそれだけ」米国に養子に出され、十五年ぶりに一時帰国した十九歳の“きみ”、結婚移民としてウズベキスタンから渡韓した高麗人三世の“彼女”、父の家庭内暴力の跡をからだじゅうに残している“わたし”―。癒えない傷を抱えた人の心を繊細に描き、世代を超えて支持される七篇の中短篇。

出版社・メーカーコメント

《遠のく女にわたしは訊いてみたかった。 これからわたしはどこへ行くべきか、どこへ向かうべきなのか――。》傷つきながらも声をあげられずにいる人、社会から見捨てられた人たちへの、“同感”のまなざしが光る珠玉の短篇集。米国に養子に出され、十五年ぶりに一時帰国した十九歳の〈きみ〉、結婚移民としてウズベキスタンから渡韓した高麗人三世の〈彼女〉、父の家庭内暴力の跡をからだじゅうに残している〈わたし〉――。癒えない傷を抱えた人の心を繊細に描き、世代を超えて支持される七篇の中短篇。「韓国人男性が女性にやさしいのは知ってるわ。韓国ドラマを毎日観てるから。これからはうちの姉も韓国人よね。だから韓国の男の人が韓国人女性に接するように、同じように大事にしてあげてね。お義兄さんに望むのはそれだけ」「韓国人と結婚したからって韓国人になれるわけではないってことを、わたしもわからなかった。たとえ運良く韓国籍を取得したとしても、わたしは端から何者にもなれない境界線に佇む人間でしかないの。結局、わたしも父も、同じ列車に乗っていたってわけね。つまり……目的地を持たない貨物列車はいまなお走り続けているのよ。わたしは身ひとつで、行き先もわからない列車の中から外を眺めているだけ」

著者紹介

チョ ヘジン (チョ ヘジン)  
趙海珍。1976年、ソウル生まれ。2004年、本書収録の中編「女に道を訊く」で『文芸中央』新人文学賞を受賞し、作家デビュー。デビュー以来、マイノリティや社会的弱者、社会から見捨てられた人々など、“他者”の心に思慮深い視線を寄せる作品を書き続けていることで“他者の作家”とも呼ばれ、幅広い読者の支持を得ている、現代韓国文学を代表する作家の一人。長編『ロ・ギワンに会った』(浅田絵美訳、新泉社、近刊)で申東曄文学賞、『かけがえのない心』(オ・ヨンア訳、亜紀書房)で大山文学賞、『完璧な生涯』で東仁文学賞、短編集『光の護衛』で白信愛文学賞、短編「散策者の幸福」で李孝石文学賞など、数々の文学賞を受賞
呉 華順 (オ ファスン)  
1973年、東京生まれ。青山学院大学法学部卒業。慶煕大学大学院国語国文科修士課程(戯曲専攻)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)