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現代中国の維権運動と国家

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2014年12月
ISBNコード 978-4-7664-2191-0
4-7664-2191-4
税込価格 5,060円
頁数・縦 318P 22cm

商品内容

要旨

改革開放政策が中国にもたらしたのは、富だけではない。人々の権利への目覚めも、その必然的な産物である。1990年代以降、多様な領域で繰り広げられている権利侵害に対する抵抗と要求―それが維権運動である。メディアや知識人が加わって全社会を舞台に展開されるようになった維権運動は、次第に市民の基本的権利を求め、新たな制度構築を要求する運動へと変容してきている。そこには新たな国家―社会関係と、ボトムアップ型の政治参加の実態が垣間見られる。様々な領域における維権運動を綿密に分析し、運動が形成されるプロセスとメカニズムを解明することから、現代中国社会の変化とその政治への影響を論ずる。

目次

なぜいま維権運動なのか
第1部 維権の現場(中国における消費者運動の台頭とマス・メディア―「王海現象」を事例として
都市部における所有権者たちの維権行為―深〓(せん)、北京、上海の事例を手がかりに
タクシー業界における運転手たちの維権行為―政策提言からストライキまで
労働者たちの維権行為―国有企業の従業員と農民工たちを中心に
陳情制度をめぐる維権と安定維持の力学―西安整流変圧器工場の従業員たちの事例を手がかりに)
第2部 維権運動と国家(維権運動の構造と言説
台頭する維権運動への国家の対応)
結論と今後の課題

著者紹介

呉 茂松 (ゴ モショウ)  
慶應義塾大学法学部専任講師(有期)。1999年東北師範大学卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。法学博士。慶應義塾大学法学研究科助教、東京大学、東海大学などの非常勤講師を経て、2014年4月より現職。専門は、現代中国論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)