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自由なき世界 フェイクデモクラシーと新たなファシズム 下

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2020年3月
ISBNコード 978-4-7664-2666-3
4-7664-2666-5
税込価格 2,750円
頁数・縦 190,50P 20cm
シリーズ名 自由なき世界

商品内容

要旨

トランプはなぜ大統領になれたのか―。2010年代、ロシアに起こった富者による支配を正当化する権威主義体制は東から西へと広まった。それを助けたのは、ロシアによるウクライナ侵攻と、ヨーロッパやアメリカに対するサイバー戦争である。ロシアは、世界中のあらゆる場所に、ナショナリストやオリガルヒ、急進派の協力者を見出し、西側の制度や国家、価値観を解体したいというその欲望は、西側自体のなかにも共鳴者を見出してゆく。ポピュリズムの隆盛やイギリスのEU離脱(ブレグジット)、ドナルド・トランプ大統領誕生はいずれもロシアが目標とするものだったが、それらが達成できたのは西側社会や民主主義自体の脆弱さが露見したのだとも言える。民主主義や法による支配を脅かす、新たなファシズムの台頭に警鐘を鳴らす『暴政』の姉妹篇。

目次

第5章 真実か嘘か(二〇一五年)
第6章 平等か寡頭政治か(二〇一六年)

おすすめコメント

ウクライナにおける親露派政権の誕生と放逐、ロシアによるウクライナ侵攻、イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ大統領誕生、等々。近過去を歴史化しながら、それら全ての事態に関わり、西側諸国が共有する価値観を揺さぶり、その紐帯を完全に断ち切ることを目論むプーチンの思想と、民主主義や法の支配に差し迫る脅威の「本質」を明らかにしていく。

著者紹介

スナイダー,ティモシー (スナイダー,ティモシー)   Snyder,Timothy
1969年オハイオ州生まれ。イェール大学歴史学部教授。オクスフォード大学でPh.D.を取得。専攻は中東欧史、ホロコースト論、近代ナショナリズム研究。2017年1月に初来日し、慶應義塾大学、東京大学などで講演を行った。ブラウン大学を卒業しオクスフォード大学に転じた1991年にソ連崩壊を経験したため、英独仏語だけでなくスラブ諸語の一次史料をも自在に活用する学風は、ホロコースト論でも新境地を開いたと高く評価されている。ハンナ・アーレント賞をはじめ多彩な受賞歴を誇る。また、ウクライナ情勢の信頼できる解析者であるだけでなく、世界に蔓延するフェイクデモクラシーへの批判をさまざまなメディアを通じて発信しており、アメリカでもきわめて大きな影響力を持つオピニオンリーダーの一人と目されている
池田 年穂 (イケダ トシホ)  
1950年横浜市生まれ。慶應義塾大学名誉教授。ティモシー・スナイダーの日本における紹介者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)