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黒い雨に撃たれて 二つの祖国を生きた日系人家族の物語 下

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2020年7月
ISBNコード 978-4-7664-2686-1
4-7664-2686-X
税込価格 2,750円
頁数・縦 182,49P 20cm
シリーズ名 黒い雨に撃たれて

商品内容

要旨

1942年収容所にいたハリーは、アメリカ陸軍情報部語学兵試験に合格し、翌43年夏には、第33歩兵師団付の語学兵として、ニューギニア戦線やフィリピン戦線に赴き、日本兵と対峙。赴任当初は、陸軍内で差別を受けるが、戦況が進むにつれ、日本軍から鹵獲した機密書類の翻訳や日本人捕虜の尋問の成功などの実績により、陸軍内での信頼を勝ちえていく。やがて、九州上陸作戦への従軍を聞かされていたハリーに、広島への原爆投下の一報が入る。日系二世が直面した強制収容、人種差別やアイデンティティ・シフト、米国に従軍した日系人の戦争協力、原爆投下によって壊滅的被害を受けた広島―。戦争に人生を翻弄された日米双方の市井の人々の経験を、あざやかな筆致で描き出す叙事詩。

目次

4 太平洋における戦い(初っ端から疑われる
タイプライターを持って前線へ
桜の季節も忘れて
ニューギニアに耐える
ピアスの執行猶予)
5 運命の日への序曲(サルミでの驚くべき遭遇
ジャングルでの遅々とした変化
赤紙
フィリピンでの極限状態
戦う兄弟
原子爆弾)
6 余波(ほろ苦い再会
心乱す一通の手紙
平和、そして贖罪)
エピローグ ホノルルでの静穏な日々

おすすめコメント

米国陸軍大佐であり、著名な言語学者でもあった日系二世ハリー・フクハラ(1920?2015)と、その家族が辿った波乱の生涯を軸に、日米開戦によって二つの祖国の間で身を引き裂かれた日系移民の過酷な運命を、流麗な筆致で描き出す壮大な歴史絵巻。

著者紹介

ロトナー・サカモト,パメラ (ロトナーサカモト,パメラ)   Rotner Sakamoto,Pamela
1962年にノースカロライナ州に生まれる。アマースト大学卒業。1984年に「アーモスト・同志社フェロー」として来日。以降、京都と東京で通算17年間を過ごす。タフツ大学フレッチャー法律外交大学院でPh.D.を取得。長年にわたり米国ホロコースト記念博物館における日本関係のプロジェクトで専門コンサルタントを務めている。2007年にハワイに移住。ハワイ大学と名門私立校プナホウ・スクールで歴史を教える。現在、後者の社会科の責任者を務める
池田 年穂 (イケダ トシホ)  
1950年横浜市生まれ。慶應義塾大学名誉教授。移民史、移民文学なども講じてきた。多数の訳書がある
西川 美樹 (ニシカワ ミキ)  
翻訳家。東京女子大学文理学部英米文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)