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診断の社会学 「論争中の病」を患うということ

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2021年2月
ISBNコード 978-4-7664-2726-4
4-7664-2726-2
税込価格 4,180円
頁数・縦 218,16P 22cm

商品内容

要旨

本書では、「痙攣性発声障害」「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」「線維筋痛症」という3つの「論争中の病」を取り上げ、50名弱の患者への聞き取り調査などから、当事者が抱える深刻な困難や社会的経験の分析を行う。ここでいう「論争中の病」とは、生物医学的エビデンスを欠いているために、病気の実在性に疑義が呈され、患いの正統化をめぐって医療専門家と患者、医療専門家同士、あるいは患者をめぐる周囲の人びとや世論も加わって「論争」が生じている病を指す。患いに名前を与えられず、名前を与えられるだけでは必ずしも苦しみを緩和されない「論争中の病」を患う人びとが、この社会で直面する困難や医療に対する希望を、私たちはどのように理解することができるのか。当事者へのインタビュー調査から、彼らが抱える困難や病名診断が当事者に与える影響を明らかにする。

目次

序章 患い・診断・論争
第1章 「論争中の病」をめぐる問題
第2章 診断を社会学的に研究するということ
第3章 「病名がないより病名をもらえた方が嬉しい」―「痙攣性発声障害」の当事者の困難と診断
第4章 「何もできることはないけど愚痴なら聞きに来ます」―「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」の当事者の困難と診断
第5章 「そんな病気はありません」―「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」および「線維筋痛症」の当事者の困難と診断
第6章 「論争中の病」と診断
終章 「論争」からシティズンシップへ

おすすめコメント

医学的エビデンスを欠いているために、医療者に「疾患」と診断されない3 つの論争中の病(「痙攣性発生障害」「慢性疲労症候群」「繊維筋痛症」)について、計50 名あまりの患者への聞き取り調査をもとに、当事者をとりまく社会的状況を明らかにする。医療者による「診断」がどのような社会的な意味を持つのかを問う、意欲的な試み。

出版社・メーカーコメント

医学的エビデンスを欠いているために、医療者に「疾患」と診断されない3 つの論争中の病(「痙攣性発生障害」「慢性疲労症候群」「繊維筋痛症」)について、計50 名あまりの患者への聞き取り調査をもとに、当事者をとりまく社会的状況を明らかにする。医療者による「診断」がどのような社会的な意味を持つのかを問う、意欲的な試み。

著者紹介

野島 那津子 (ノジマ ナツコ)  
大阪大学大学院人間科学研究科助教。京都府立大学、京都府立医科大学非常勤講師。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間科学)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2018年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)