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占領期ラジオ放送と「マイクの開放」 支配を生む声、人間を生む肉声

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2022年2月
ISBNコード 978-4-7664-2802-5
4-7664-2802-1
税込価格 4,620円
頁数・縦 506,25P 22cm

商品内容

要旨

玉音放送から街頭録音へ―。「人間宣言」をしたのは誰だったのか?GHQの指導のもと制作されたラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』を分析し、アメリカの占領政策と「ウォー・ギルト」、そして戦後日本の民主化の内実を問いなおす。

目次

第1部 マイクに拾われた声を聴きなおす(占領期ラジオ放送の批判的談話研究―理論と方法
「マイクの開放」からみるラジオ史―本放送開始から占領開始まで(一九二五〜一九四五年))
第2部 支配を生む“声”(「真実」が進軍を始める“声”―『真相はこうだ』(一九四五年一二月)
「我々」の戦争責任を問う“声”―『真相箱』(一九四六年五〜七月)
親米民主化を「面白く」する“声”―『質問箱』(一九四六年一二月))
第3部 人間を生む“肉声”(CIEとNHKが集める『街頭録音』の“声”―「民主化ショー」から「生々しい社会番組」へ
大衆を露わにする“肉声”、あるいは民衆を消す“声”―涙する投書と太宰治「家庭の幸福」
「人間」を廻り合わせる“肉声”―「ガード下の娘たち」(一九四七年四月)と田村泰次郎「女狩りの夜」
占領期ラジオ放送と「マイクの開放」―からっぽのラジオの向こう側へ)

出版社・メーカーコメント

GHQ(の下部組織CIE)の介入のもと制作されたラジオ番組を詳細に分析することによって、占領期日本の民主化が一体どのようなものだったのかを明らかにする。戦後の「マイクの開放」と昭和天皇の「人間宣言」、そして民衆の街頭録音を再評価し、日本における民主主義を改めて世に問う意欲作。

著者紹介

太田 奈名子 (オオタ ナナコ)  
1989年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。専門は、メディア史、批判的談話研究。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、東洋大学・東京大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)