地下出版のメディア史 エロ・グロ、珍書屋、教養主義
出版社名 | 慶應義塾大学出版会 |
---|---|
出版年月 | 2022年3月 |
ISBNコード |
978-4-7664-2803-2
(4-7664-2803-X) |
税込価格 | 4,950円 |
頁数・縦 | 465,22P 22cm |
商品内容
要旨 |
近代日本の出版文化は、岩波書店と講談社に代表される「知識人/大衆」という対比構造によって、しばしば教養主義の観点から論じられてきた。しかし、読書が大衆化した時代に、この図式に収まりきらない非正統的で「知的」な地下出版空間が存在した。本書では、これまで閑却されてきた非公刊の軟派出版(性風俗、猟奇、犯罪を取り扱った刊行物)とその版元に注目し、教養主義の言説空間との関係性から捉え返すことで、地下出版界をメディア史的に体系化する。「好色出版の帝王」梅原北明、「書痴」斎藤昌三、「軟派出版界の元老株」伊藤竹酔、「毒舌和尚」今東光など、多くの出版人の足跡を追いながら、同時代の社会運動や芸術運動とのかかわりのなかで広がった「知のネットワーク」を明らかにする。 |
---|---|
目次 |
教養主義の「裏通り」 |
出版社・メーカーコメント
軟派出版の世界で、道楽知識人たちは国家権力と戯れ、一大文化空間を築いた――。近代日本の教養主義の裏通りとも言える地下出版空間がどのようなものだったのかを体系的に論じ、戦前昭和の軟派出版(いわゆるエロ本、珍書などと呼ばれる出版文化)を初めて学術的に分析する一冊。