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台湾で日本人を祀る 鬼から神への現代人類学

慶應義塾大学東アジア研究所叢書

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2022年3月
ISBNコード 978-4-7664-2812-4
4-7664-2812-9
税込価格 5,940円
頁数・縦 351,11P 22cm

商品内容

要旨

台湾には、かつての支配者を信仰対象とする廟や祠が多数存在する。本書では、これを「日本神」と名付け、民間信仰に埋め込まれた植民地経験・戦争経験と民衆の歴史認識や、新しいメディアを通した観光化の中で生成する「日本神」像を探る。

目次

台湾の民間信仰と日本神
第1部 メディアと観光の中の日本神(英霊と好兄弟のあいだ―メディア言説、現地の実践、新たなコミュニケーション
台湾の日本神をめぐる信仰と観光―高雄の保安堂における歴史の選択と新たな展開)
第2部 民衆の記憶と日本神(田中綱常から田中将軍への人神変質―民族・国家の境界を超える民衆史学
植民地経験、戦争経験を「飼いならす」―植民地・戦争経験の記憶の媒体としての日本人の霊魂)
第3部 台湾の在来宗教信仰と日本神(廟神の出自により儀礼に差異は見られるか―台湾の日本神を祀る廟と中華神を祀る廟における儀礼・祭祀の比較
台南市内における日本人の神々―主に航空事故に起因する事例から
漂流物が神となる―日本神の外来性解析)
日本神信仰と出会う―民族誌映画撮影の経験と視点

出版社・メーカーコメント

台湾では日本人を祀る祭祀施設(廟)が相当数ある。日本統治時代の記憶と台湾の民間信仰の関係から、民衆の歴史認識がどのようにかたちづくられていくのかを探る。