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朝鮮出版文化の誕生 新文館・崔南善と近代日本

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2022年11月
ISBNコード 978-4-7664-2851-3
4-7664-2851-X
税込価格 5,500円
頁数・縦 368P 22cm

商品内容

要旨

日本と朝鮮を結びつけた「出版」という知識の源泉―。朝鮮最大の知識人・崔南善の活動を中心に、近代朝鮮の思想・文化・運動を形作った「出版」の歴史を明らかにする。

目次

序章 「一国史」を超える朝鮮出版文化史―研究の対象と課題
第1章 出版社新文館の設立と『少年』の創刊
第2章 新文館の児童雑誌と日本の児童文学界―朝鮮の植民地化と武断政治のなかで
第3章 『青春』が目指したもの―「世界的知識」の発信と民衆啓蒙
第4章 新文館の刊行物と女性
第5章 シリーズ書籍という試み―韓国併合前後の単行本
第6章 新文館初のロングセラー『時文読本』の編集過程―三・一独立運動前夜の単行本
第7章 時事週報『東明』と新文館の終焉―三・一独立運動後の崔南善の出版活動
終章 朝鮮出版文化の誕生

出版社・メーカーコメント

日本と朝鮮を結びつけた「出版」という知識の源泉――朝鮮最大の知識人・崔南善の活動を中心に、近代朝鮮の思想・文化・運動を形作った「出版」の歴史を明らかにする。本書は、近代朝鮮の出版文化の形成過程を、同時代の日本の出版界との関係を通して実証的に解明する。1919年3月に植民地期朝鮮最大の民衆運動である三・一独立運動が起こると、朝鮮総督府は武断政治から文化政治へと統治政策を切り替えた。それによって1920年代には『開闢』をはじめとする雑誌が続々と刊行され、今日まで継続している『東亜日報』や『朝鮮日報』といった朝鮮人経営の民間新聞も創刊された。1920年代に開花する出版文化の基礎を築いたのが、三・一独立運動の独立宣言書の起草で知られる崔南善が興した出版社・新文館である。新文館は、1908年に漢城(現・ソウル)に設立された朝鮮初の本格的な出版社であり、朝鮮「初の近代雑誌」と称される『少年』や、植民地化されて間もない1910年代の朝鮮で人気を博した「総合教養」雑誌『青春』など、近代朝鮮の出版文化史に名を残す数々の出版物を刊行した。崔南善の出版活動と新文館の実態を、日本の出版界の影響と照らし合わせながら明らかにする。

著者紹介

田中 美佳 (タナカ ミカ)  
1990年佐賀県生まれ。九州大学大学院人文科学府歴史空間論専攻博士課程修了。博士(文学)。専門は、朝鮮近代史、メディア史。現在、九州大学大学院人文科学研究院助教。主な業績に「崔南善の初期の出版活動にみられる日本の影響―1908年創刊『少年』を中心に」『朝鮮学報』第249・250輯合併号、2019年(2020年度朝鮮学会研究奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)