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おとめ座の荷風

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2023年9月
ISBNコード 978-4-7664-2901-5
4-7664-2901-X
税込価格 2,970円
頁数・縦 251P 20cm

商品内容

要旨

近代日本文学のゆたかな未知の沃野として女性に注目し、さまざまな物語のなかに描いてきた永井荷風。知的な女性芸術家の出現に熱く期待した明治の若き荷風のあけぼのを、荷風の活躍を庇護した森〓外、女性芸術を愛した上田敏、そして恋の詩人・与謝野晶子を織り交ぜて論じ、「おとめ」の文学史を新たにつむぐ。

目次

第1部 荷風の少女絶唱、平和礼讃(なまいき、熱血、永井荷風
十九歳、花籠を引っさげて
荒野にリボン―姉たちの戦い
ばら子登場、園子誕生
快くキッスしてください!
英語は彼女たちの翼
ロザリン
女ふたりで朝から熱爛
月の橋を渡るひと
ラスト・ローズにおとめの涙
おとめ座の荷風
浮沈―荷風の風と共に去りぬ)
第2部 荷風につらなるスターたち(リン、ビン、ソウ―海潮音を聴く三きょうだい
父から娘への愛の手紙
海を渡る女性の家
サファイアと珊瑚
森〓外のふわふわバニラなキス
〓外、女性のパリ行きに奮闘する
晶子と荷風が生んだ次世代文学者、森茉莉
生きて帰りて―、荷風
時代をひきいる少女党)

出版社・メーカーコメント

荷風は、なぜ新たな女性像を描きつづけたのか。明治の幕開けとともに作家「荷風」をつくった女性たちに迫る。女性を近代日本文学が発掘すべき豊かな未知の沃野として見つめ、終始一貫して注目しつづけた荷風。とくに、知的な女性芸術家の出現に熱く期待した明治の若き荷風のあけぼのを、荷風の活躍を庇護した大きい兄である森鴎外、小さい兄である上田敏の女性芸術への尊敬を織り交ぜて描く。荷風の心の中に常に在った「乙女」の姿を追求し、解き放つ作品。

著者紹介

持田 叙子 (モチダ ノブコ)  
近代文学研究者。慶應義塾大学大学院修士課程修了、國學院大學大学院博士課程単位取得退学。1995年より2000年まで『折口信夫全集』(中央公論社)の編集・解説を担当する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)