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精神分析における境界侵犯 臨床家が守るべき一線

出版社名 金剛出版
出版年月 2011年11月
ISBNコード 978-4-7724-1221-6
4-7724-1221-2
税込価格 4,400円
頁数・縦 288P 22cm

商品内容

要旨

臨床家が越えてはならない一線を越えること、それを「境界侵犯」という。本書は、精神分析における「境界侵犯」の倫理的問題について、多面的理解を試みた著作の翻訳である。本書の美点は、3つあげられる。まず、普段表に出ることのない境界侵犯の事例が、豊富に紹介されていること。2つ目に境界侵犯をおかした治療者を類型化し、それぞれの精神力動を示したこと。そして最後に境界侵犯が生じた際に個人や組織がとるべき対応を、非常に具体的に論じていること、である。これらについての論述の包括性と具体性を備えた本書は、倫理的な問題が重視されつつある現代の臨床家にとって、欠かせない1冊になるであろう。

目次

第1章 精神分析における境界概念
第2章 境界と精神分析過程
第3章 分析の枠組み、分析的境界、そして分析的対象
第4章 境界とジェンダー
第5章 精神分析における境界侵犯の初期の歴史
第6章 性的境界侵犯
第7章 非性的境界侵犯
第8章 転移の運命:終結後の境界
第9章 精神分析のスーパービジョンにおける境界
第10章 組織の対応

著者紹介

ギャバード,グレン・O. (ギャバード,グレンO.)   Gabbard,Glen O.
1949年生まれ、米国の精神科医、精神分析家。精神分析や精神分析的精神療法に関する教科書を含む多くの著書・論文あり。演劇で学位を取得したのち医学部を卒業、米国力動精神医学の拠点であるメニンガー・クリニックで長年臨床活動や研究・教育に携わる。現在、米国テキサス州ベイラー医科大学精神科臨床教授
レスター,エヴァ・P. (レスター,エヴァP.)   Lester,Eva P.
1922年生まれ、カナダで活躍したギリシャ出身の女性精神科医、精神分析家。カナダマギル大学医学部精神科教授、カナダ精神分析協会訓練分析家。小児医学・精神医学を専攻、児童思春期・女性のセクシュアリティ・精神分析状況におけるジェンダーと境界に関する論文等、多数あり。カナダ精神分析学雑誌を創刊、編集主幹を務めた。2008年没
北村 婦美 (キタムラ フミ)  
1996年、京都大学医学部卒業。精神科医、日本精神分析学会認定精神療法医。現在、京都民医連中央病院精神神経科
北村 隆人 (キタムラ タカヒト)  
1993年、京都府立医科大学医学部卒業。2006〜2008年、マッコーリー大学哲学科留学。精神科医、日本精神分析学会認定精神療法医。現在、京都民医連中央病院精神神経科(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)