• 本

方丈記

新訂

岩波文庫

出版社名 岩波書店
出版年月 1989年5月
ISBNコード 978-4-00-301001-3
4-00-301001-9
税込価格 693円
頁数・縦 151P 15cm
シリーズ名 方丈記

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 寂寥の深さで人生は決まる だからこの一冊

    昭和54 年、大学を卒業し、最初に勤めたのは金沢のFという書店だった。そのF 書店の社長の葬儀の席で、社長の奥さんから一冊の本を手渡された。その本は書き込みでふくれ、ページがはずれた、ボロボロの『方丈記』だった。社長はいつも背広のポケットに入れ、ひとりバスや電車に乗るとそれを読んでいた。人生の哀楽、そんなことを形見分けしていただいた『方丈記』を見るとつくづく感じる。人生を辿っていると、人は寂寥の凹みを心に数多く負うものであろう。後悔ばかりが心にたまっていく。その癒しのひとつとなるものが本であることは、書店人としてのささやかな喜びと思う。(ミシマ社『THE BOOKS』より転載)

    (2013年3月8日)

商品内容

要旨

人の世の無常を感じ出家遁世した長明。しかし方丈の草庵でも安住できない。この苦渋にみちた著者の内面が、和漢混淆・対句仕立ての格調ある文章によって表現され、古来人々の愛読する古典となった。長明自筆といわれる大福光寺本のすべての影印と翻字を付す。