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バブルリゾートの現在地 区分所有という迷宮

角川新書 K−478

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2025年3月
ISBNコード 978-4-04-082499-4
4-04-082499-7
税込価格 1,100円
頁数・縦 300P 18cm

商品内容

要旨

狂乱のバブル期、デベロッパーのターゲットにされたのが新潟県湯沢町などのリゾート地だった。大量のリゾートマンションや、権利が細かく分割された会員制ホテルが建設されてから数十年。そこには大幅に価格が下落したり、法律の濫用により身動きが取れなくなった施設が存在している。千葉県北東部の「限界ニュータウン」で暮らし、不動産問題を調査報道する著者が、リゾート物件の現状を伝える。

目次

第一章 区分所有という迷宮
第二章 リゾートマンション―「東京都湯沢町」から50年
第三章 区分所有型ホテル―重大な瑕疵を抱えるビジネスモデル
第四章 会員制リゾートクラブ(前編)―一部屋を見ず知らずの複数人と所有
第五章 会員制リゾートクラブ(後編)―破綻四事例に見る欠陥
第六章 道路やテニスコートまで共有
終章 国内に点在する迷宮

出版社・メーカーコメント

・アクセス難で苗場のマンションが10万円・40平米の1Rマンションを見ず知らずの20人で所有・リゾートホテルの建物が1250分割、ワンフロアが200分割−−権利が切り刻まれて身動きが取れない不動産・東京都湯沢町、バブル期にマンションを建てまくったデベロッパーも多くが倒産、解散・もはや地面の切れ端…14平米に満たない狭小地で分割され販売された別荘タウン・権利分割して建てられていたホテルが今や有名な廃墟スポットに・解体費用は、地方自治体…? 地元の巨大なリスクにあまりに度を越した濫用が横行したために、今となってはその乱売された「権利」が、購入者にとってなんらの価値も生み出さないどころか、ただ義務と責任ばかり発生するだけのお荷物と化している。電気、水道といった施設の利用に必要なインフラはすべて止められ、一切の修繕が行われない建物は老朽化するばかりだ。当の所有者本人ですら利用が不可能な状況に陥っているのに、他者の権利に阻まれ、解体もできなければ売却もかなわない。なんの解決策も取られないまま、ただ毎年固定資産税が課税され続けている。こんな理不尽な話があるだろうか。(本文より)1970年代、都心の土地価格の高騰に伴い、ターゲットにされた新潟県湯沢町。バブル期のスキーブームもあり、多くのリゾートマンションや会員制ホテルが建設された。今なおきちんと管理され、人々の生活を潤すマンションがある一方で、大幅に価格が低下したり、法律の濫用により身動きが取れなくなった施設が存在している。千葉県北東部の「限界ニュータウン」に住み、不動産問題を調査報道する著者が、リゾート物件の現状を伝える。

著者紹介

吉川 祐介 (ヨシカワ ユウスケ)  
1981年、静岡県生まれ。千葉県横芝光町在住。高校卒業後、新聞配達、バス運転手などをしながら暮らす。その後千葉に引っ越し、自身の家探しの過程で、70〜90年代に投機目的で購入されたまま開発されていない「限界ニュータウン」の存在に気付く。2017年に始めたブログ「URBANSPRAWL 限界ニュータウン探訪記」が話題となり、22年には初の著書『限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地』(太郎次郎社エディタス)を刊行。あわせてYouTubeチャンネル「資産価値ZERO限界ニュータウン探訪記」も開設した。すでに100か所以上の限界ニュータウンの調査を行い、郊外の別荘地やリゾート地などにも調査範囲を拡大、各紙誌やウェブサイトへ寄稿している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)