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ありてなければ 「無常」の日本精神史

角川ソフィア文庫 G112−1

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2015年12月
ISBNコード 978-4-04-400002-8
4-04-400002-6
税込価格 968円
頁数・縦 285P 15cm

商品内容

要旨

「世の中は夢か現か現とも夢とも知らずありてなければ」(古今和歌集)。いま、たしかに「ある」が、それは同時に、いつか「なくなる」、あるいはもともとは「なかった」―。「夢と現のあわい」に生きる私たちは、その「はかなさ」をどう受けとめ、どう生きてきたのか。万葉の時代から現代にいたるまで、日本思想史を形成してきた無数の言葉を渉猟し、そこに通底する「無常感」をたどりながら、日本人のゆたかな精神性を探り当てていく。

目次

1 現代日本人の無常感(「はかない」気分
「はか‐ない」とは ほか)
2 「夢の外へ」(「浅き夢みじ」―「いろは歌」の決意
地獄・極楽とは何か―『往生要集』のしかけ ほか)
3 「夢の内へ」(「妄執」のゆくえ―謡曲の鎮魂
「一期は夢よ ただ狂へ」―『閑吟集』の狂と情 ほか)
4 「夢と現のあわいへ」(「ありがたき不思議」―『徒然草』の存在理解
「夢と現のあわい」の美意識・倫理―「幽玄」「やさし」 ほか)
5 ふたたび、現代日本の無常感(「人間の安心」論―近代日本の「無」の思想
「夢よりも深い覚醒」―見田宗介の「鮮烈ないとおしさへの感覚」 ほか)

おすすめコメント

「世の中は夢か現か現とも夢とも知らずありてなければ」(古今和歌集)。いま、たしかに「ある」が、それは同時に、いつか「なくなる」、あるいはもともとは「なかった」ーー。夢と現のあわいに生きる我々は、そのみずからの「はかなさ」にどう向き合い、超えていくのか。「はかなさ」を巡る、無常の精神史をたどる。平凡社刊『「はかなさ」と日本人』に大幅加筆。

著者紹介

竹内 整一 (タケウチ セイイチ)  
1946年長野県生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東京大学教授などをへて、現在、鎌倉女子大学教授、東京大学名誉教授。専門は、倫理学・日本思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)