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硫黄島 国策に翻弄された130年

中公新書 2525

出版社名 中央公論新社
出版年月 2019年1月
ISBNコード 978-4-12-102525-8
4-12-102525-3
税込価格 902円
頁数・縦 221P 18cm

商品内容

要旨

小笠原群島の南方に位置する硫黄島。日本帝国が膨張するなか、無人島だったこの地も一九世紀末に領有され、入植・開発が進み、三〇年ほどで千人規模の人口を有するようになった。だが、一九四五年に日米両軍の凄惨な戦いの場となり、その後は米軍、続いて海上自衛隊の管理下に置かれた。冷戦終結後の今なお島民たちは、帰島できずにいる。時の国策のしわ寄せを受けた島をアジア太平洋の近現代史に位置づけ、描きだす。

目次

はじめに―そこに社会があった
第1章 発見・領有・入植―一六世紀〜一九三〇年頃
第2章 プランテーション社会の諸相―一九三〇年頃〜四四年
第3章 強制疎開と軍務動員―一九四四年
第4章 地上戦と島民たち―一九四五年
第5章 米軍占領と故郷喪失―一九四五〜六八年
第6章 施政権返還と自衛隊基地化―一九六八年〜現在
終章 硫黄島、戦後零年

おすすめコメント

小笠原諸島の南端に位置する硫黄列島。このエリアには複雑な日本近代史が刻み込まれている。南方地域への進出を鼓吹する言説(南進論)の盛り上がりにより、農業入植地となり、日米の戦いでは凄惨な戦場となった。その後は軍事基地として利用され、島民たちは島で暮らせない状況が続いている。その知られざる軌跡を位置づける試み。

著者紹介

石原 俊 (イシハラ シュン)  
1974年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科(社会学専修)博士後期課程修了。博士(文学)。千葉大学助教、明治学院大学准教授、カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員などを経て、明治学院大学社会学部教授。専門は、社会学・歴史社会学・島嶼社会論。著書『近代日本と小笠原諸島―移動民の島々と帝国』(平凡社、2007年、第7回日本社会学会奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)