• 本

パリの秘密

中公文庫 か56-10

出版社名 中央公論新社
出版年月 2010年3月
ISBNコード 978-4-12-205297-0
4-12-205297-1
税込価格 692円
頁数・縦 230P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 数百年の時を超えてゲニウス・ロキ(地霊)が佇むパリの街。オペラ座やムーラン・ルージュはもちろん、名も無いほどのちっぽけな建物や通りにもゲニウス・ロキは居座り、なにやら秘密の物語の気配を漂わせています。お決まりのコースをはずれて、本書を手がかりに探偵気分で徘徊するのも楽しそうです。セーヌ川岸の欄干にならぶ、フランス語でブキニストと呼ばれる古本屋にパリ出身の者は少なくほとんどが農民の出なのは、天気が良くなるまで気長に待つ根気強さが必要という点で共通しているからだとか。「本屋は棚を耕す」を信条とする当店主のルーツを辿ると実はブキニストかも??

    (2014年3月29日)

商品内容

要旨

パリに居座るゲニウス・ロキ(地霊)は、多くの秘密を生む―エッフェル塔、モンマルトルの丘から名もなき通りの片隅まで。数百年の時を経てなお、パリに満ちる「秘密」の香りは遊歩者(フラヌール)を惹きつけてやまない。夢の名残を追って現代と過去を行き来する、瀟洒なエッセイ集。

目次

エッフェル塔
サン=ジェルマンの犬市場
オペラ座のミツバチ
バスチーユ広場の象
セーヌ河岸の古本屋
“植物園”の熊
ゾーン、夢の郊外
ボブール界隈のバブル景気
ケールの女神像
オルセー河岸の水泳学校〔ほか〕

著者紹介

鹿島 茂 (カシマ シゲル)  
1949年(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、明治大学国際日本学部教授。専門は、19世紀のフランスの社会生活と文学。91年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)