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ジョージ・F・ケナン回顧録 3

中公文庫 ケ7−3

出版社名 中央公論新社
出版年月 2017年2月
ISBNコード 978-4-12-206371-6
4-12-206371-X
税込価格 1,925円
頁数・縦 564,28P 16cm
シリーズ名 ジョージ・F・ケナン回顧録

商品内容

要旨

完結篇である本書3巻は冷戦の激化する一九五〇‐六三年が対象。当時の重要課題は対ソ政策のほか対日講和、朝鮮戦争、ドイツ問題、核問題などで、ケナンはこれらと向き合い時に具体的な政策を示す。また駐ソ大使時代、国外退去を命じられたエピソードも綴られ、激動の歴史を生きた姿を伝える。全巻索引収録。

目次

過渡期
朝鮮
極東
アメリカとの再会
ロシアと冷戦
モスクワ駐在大使
好ましからざる人物
引退
“マッカーシズム”
一九五七年リース講義
ユーゴスラビア―背景
ユーゴスラビア―対立

おすすめコメント

本書最終「III」巻は1950年から63年を対象とする。時代はまさに冷戦が激しさを加えてきた時期であった。ワシントン政治における当時の重要課題は対日講和、朝鮮戦争、ドイツ問題、核武装問題などであり、ケナンはこれらと真摯に向き合い、時に具体的な政策を示す。一方、この時期にモスクワやユーゴスラビアでの大使を務めたケナンは、そこでの見聞を豊かな筆で綴っていく。「好ましからざる人物」としてソビエトから追放された経験など、読み応え充分なエピソードが続く。ソビエトという巨大な社会主義国家が在った時代はすでに過ぎ、現在、かつての冷戦状況は歴史のなかで系統的に振り返る対象となった。しかし、現実の冷戦下政治のなかで、苦悩し、懐疑しつつ、冷静な分析とともに痛烈な批判を試みた一外交官の存在と考え方をふまえれば、冷戦理解も一段と深まるに違いない。また、ケナンの筆が記録したものは、遠い過去の話ではないともいえ、国際関係が変動するなかで、その意味が幾たびも甦ってくる示唆に満ちているはずである。本書では西崎文子東京大学教授による解説を新たに付すとともに、全巻の索引を収め、完結の巻にふさわしい内容となっている。

著者紹介

ケナン,ジョージ・F. (ケナン,ジョージF.)   Kennan,George F.
アメリカの外交官、政治学者、歴史家。1904年2月、ウィスコンシン州ミルウォーキー市に生まれる。プリンストン大学を卒業し25年に国務省入省。マーシャル国務長官に抜擢されて政策企画部の本部長を務め、47〜48年の二年間、「ソ連封じ込め」を主柱とする冷戦政策を計画した。53年に国務省を退き、プリンストンで学究生活に入る。2005年没
清水 俊雄 (シミズ トシオ)  
京都大学文学部中退、1937年読売新聞社入社。53〜55年ロンドン特派員等を経て、59〜62年には外報部長を務めた
奥畑 稔 (オクハタ ミノル)  
京都大学文学部卒業、1946年読売新聞社入社。52〜54年ニューヨーク特派員、60〜62年欧州総局長等を経て、62〜67年に外報部長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)