• 本

トランス=アトランティック

文学の冒険シリーズ

出版社名 国書刊行会
出版年月 2004年9月
ISBNコード 978-4-336-03594-3
4-336-03594-6
税込価格 2,860円
頁数・縦 293P 20cm

商品内容

要旨

「よし、それならいっそのこと、かたっぱしから連中をはりたおしてやる!ところが、いきなり壁だった。そこで踵を返し、出口へと歩き出す…会衆は呆気にとられ、口をあんぐりあけて、小生を見てる…すたすた歩きは次第に威力を増し、迫力を増し…おお、悪魔、悪魔、すたすた、すたすた、すたすた。よし、いいぞ。すたすた歩きだ。すたすた、すたすた…」ポーランドでの作家としての名声におさらばし、アルゼンチンにやって来た“小生”は、海の向こうの祖国で戦争が始まったことを知った。これ幸いと故郷への帰還を断念し、ブエノスアイレスの熱気に身をゆだねたはいいものの、周りは体面を重んじるバカばかり。唇を赤く塗った謎の男とグルになって、“小生”はおとな共を叩き潰す仕儀にあいなった。永遠の青二才を標榜する作家ゴンブローヴィッチが、みずからの体験をもとにして戯画的に綴ったグロテスク・リアリズムの傑作。

出版社
商品紹介

ブエノスアイレスで大戦勃発の報を聞いた若き作家が、異国の地で味わう亡国の悲哀とグロテスクな体験を戯画的に描いた半自伝的小説。

著者紹介

ゴンブローヴィッチ,ヴィトルド (ゴンブローヴィッチ,ヴィトルド)   Gombrowicz,Witold
1904年、ロシア領ポーランドで貴族の家庭に生まれる。ワルシャワ大学で法律を学んだのち、パリに遊学。帰国後、作家をめざし、33年に短篇集『成熟期の手記』をまとめる。37年、アンチ・リアリズム小説の金字塔『フェルディドゥルケ』で作家としての地位を確立。しかし、たまたま旅に出たアルゼンチン滞在中に欧州では大戦が勃発、以後ついに母国の土を踏むことなくその生涯を終える。67年『コスモス』で国際文学賞を受賞。1969年、南仏ヴァンスで死去
西 成彦 (ニシ マサヒコ)  
1955年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)