• 本

アンソロジーたまご

出版社名 主婦と生活社
出版年月 2025年3月
ISBNコード 978-4-391-16367-4
4-391-16367-5
税込価格 1,870円
頁数・縦 204P 18cm

NetGalley 会員レビュー

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

もしこの世界から「たまご」が消えたなら、どれだけの料理が失われてしまうのか。私たちを支えてくれている、卵、玉子、たまご、愛されている。その形の自然美。まん丸ではなく楕円形で転がりにくく割れにくい。ぱかっとひらくとつるんとした白み、ぷっくりとした黄みが姿を見せる。ノスタルジーなエピソードも多く、土岐雄三さんの「わがオムレツ」が好み。生卵、半熟玉子、日本では安心して食べられる幸せ。たまごかけごはん、深いな。寒い夜の茶碗蒸し、忘れられないな。あんこまパン、新発見。ぷるんとしたゆでたまご、枝垂れ桜の下で頬張ろう。

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

卵はいつも庶民の食卓にあったしその調理方法も変わらないと言っても過言ではないだろう。亡くなった人から現在活躍している人まで卵をめぐる体験は、あるときには微笑ましく、あるときには切なく、誰もが経験しているものと重なって共感を呼ぶ。わたしも私の「卵の物語」を書いてみたいと思ったのも卵の力のなせる技かもしれない。この珠玉の作品群の中で最も心に残ったのは向田邦子さんの作品だ。愛の本当の意味を感じさせてくれる二つの出来事は映画の一場面のように忘れることができない。素敵な作品をありがとうございました。

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

思い出話が尽きない。好きや苦手、拒否も含め、誰もが一過言を持っている。白米が合う。酒も合う。麺にも合う。正月がいい。花見にもいい。遠足には欠かせない。風邪をひくと欲しくなる。たまご タマゴ 卵 玉子。37人の「俺に言わせろ」たちのたまご推し。平松洋子さんの茶碗蒸し、妻不在時の椎名誠さんの男の冷蔵庫と自分の食指とのせめぎ合い、田中小実昌のコレステロールとの確執、高山なおみさんの兄の煮卵、やばいやばい。食スイッチがピコンピコン鳴り続ける。最後は本らしく。「いい仕事には時間が降り積もっているのである」と高橋義孝さん。ごちそうさまでした。

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

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商品内容

要旨

ふわふわ、とろとろ、ずるずる、ごっくん、いろんなカタチ、黄色い幸福。37人のエッセイによる「たまごの饗宴」

目次

目玉やきの目玉(佐藤愛子)
卵の料理と私(森茉莉)
究極の玉子焼き(高橋克彦)
卵情熱(角田光代)
生卵をゴクリゴクリと(伊藤比呂美)
ぼんやりした味(平松洋子)
デビルオムレツ(阿川佐和子)
春はふわふわ玉子のスフレから(石井好子)
卵と玉子とたまごの話(池波志乃)
オムライス(野中柊)
卵焼きのサンドウィッチ(林望)
午前九時のタマゴ入り味噌汁(椎名誠)
ポテトとタマゴ(田中小実昌)
卵物語(阿刀田高)
卵料理さまざま(阿川弘之)
優雅なるカニ玉 威風堂々の黄金色に陶酔(小泉武夫)
炒り卵(檀一雄)
コロンブスの瓢亭卵(荻昌弘)
気ぬけごはんより卵三題(高山なおみ)
オムレツを作ろう(村上春樹)〔ほか〕

出版社・メーカーコメント

日本を代表する小説家・随筆家の「たまご」をテーマにしたエッセイを、ぎゅっと集めた珠玉の1冊。読んでほっこり、にっこり。