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プラハの墓地

海外文学セレクション

出版社名 東京創元社
出版年月 2016年2月
ISBNコード 978-4-488-01051-5
4-488-01051-2
税込価格 3,850円
頁数・縦 530P 20cm

商品内容

文学賞情報

2016年 第2回 須賀敦子翻訳賞受賞

要旨

イタリア統一、パリ・コミューン、ドレフュス事件…、そしてナチのホロコーストの根拠とされた史上最悪の偽書『シオン賢者の議定書』それらすべてにひとりの文書偽造家が関わっていたとしたら?世界的大ベストセラー『薔薇の名前』のウンベルト・エーコが描く憎しみと差別のメカニズム。

おすすめコメント

知の巨人、ウンベルト・エーコ。ナチスのホロコーストを招いたと言われている、現在では「偽書」とされる『シオン賢者の議定書』。この文書をめぐる、文書偽造家にして稀代の美食家シモーネ・シモニーニの回想録の形をとった本作は、彼以外の登場人物のはほとんどが実在の人物という、19世紀ヨーロッパを舞台に繰り広げられる見事な悪漢小説(ピカレスクロマン)。祖父ゆずりのシモニーニの“ユダヤ人嫌い”が、彼自身の偽書作りの技によって具現化され、世界の歴史をつくりあげてゆく、そのおぞましいほど緊迫感溢れる物語は、現代の差別、レイシズムの発現の構造を映し出す鏡とも言えよう。

著者紹介

エーコ,ウンベルト (エーコ,ウンベルト)   Eco,Umberto
1932年、北イタリア、アレッサンドリア生まれ。記号論学者、評論家、哲学者、文学者、作家。トリノ大学で中世美学、トマス・アクィナスを研究。卒業後、イタリア放送協会(RAI)の文化番組や出版社ボンピアーニの評論部門に関わる。ミラノ大学、フィレンツェ大学等を経て、ボローニャ大学の記号論の教授に就任。同大学名誉教授。主な著作に『開かれた作品』、『記号論』、『薔薇の名前』、『フーコーの振り子』他
橋本 勝雄 (ハシモト カツオ)  
1967年生まれ。京都大学文学部卒業。同大大学院博士後期課程単位取得退学。現在、京都外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)