
大相撲の経済学
出版社名 | 東洋経済新報社 |
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出版年月 | 2003年10月 |
ISBNコード |
978-4-492-31330-5
(4-492-31330-3) |
税込価格 | 1,760円 |
頁数・縦 | 204P 19cm |
商品内容
要旨 |
力士も会社人間だった!総当たり制にしないのも、外国人力士が増えたのも、八百長問題が噂されるのも、合理的な理由があるのです。 |
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目次 |
大相撲を経済学の視点で眺めること |
出版社 商品紹介 |
大相撲の制度を経済学視点から解きほぐす。不足する年寄株、転職に悩む力士など、日本経済が抱える問題の縮図がそこにある。 |
内容抜粋
本書「序章 大相撲を経済学の視点で眺めること」より
普通の人の目からは特殊に見える相撲の世界であっても、経済学的に考えれば、当たり前の人たちが当たり前のように行動しているごく普通の世界に過ぎない。ただ、彼らのおかれている環境が多少変わって見えるだけである。さらに踏み込むならば、なぜあのように変わった状態を維持していられるかを考えなければならない。一年や二年の歴史ではない。現在の相撲協会に近い組織が生まれてから250年余り経って、なおも継続している社会である。ダーウィンの進化論ではないが、人間の社会でも環境変化に順応できない組織は消えてなくなる運命にある。生き残っているからにはそれなりの理由があるはずだ。具体的な内容については第1章以降をお読みいただければと思う。読者の方々は、本書のような相撲のとらえ方をすることによって、相撲の世界が一般社会にも通じる要素をきわめて多く含んでいることを知るだろう。実力主義のスポーツ界にありながら、大相撲の力士たちは実に年功的な賃金体系に守られている。相撲協会の定年65歳終身雇用といえばこれほど「日本的経営」らしい組織もないだろう。年寄株の不足は日本の年金制度の将来を暗示しているようだ。いわゆる八百長はフェアネスをモットーとするスポーツの世界ではご法度かもしれないが、会社の中では社員同士が助け合っているではないか。