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金融恐慌1907 米FRB創設の起源とJ・P・モルガン

出版社名 東洋経済新報社
出版年月 2016年8月
ISBNコード 978-4-492-44429-0
4-492-44429-7
税込価格 3,080円
頁数・縦 388P 20cm

商品内容

要旨

米FRB(連邦準備制度理事会)の起源になった1907年の金融恐慌と株価暴落。2007年サブプライム危機との類似点も多い。100年後の現代にも通用する教訓とは?1907年金融恐慌を救ったJ・ピアポント・モルガン。その獅子奮迅に迫る。

目次

ウォール街の支配者たち
金融システムへの衝撃
「静かなる」暴落
やせ細る信用
富と名声を求め続けた銅の王者
買い占めと引き締め
ドミノ倒し
最後の貸し手、資金決済機構
ニッカーボッカー信託会社の繁栄と陰り
社長の不信任投票〔ほか〕

おすすめコメント

『The Panic of 1907』の日本版(邦訳は『ザ・パニック――1907年金融危機の実相――』)が2007年に出版された。本書はそれを復刊したものである。大恐慌とくれば1929年大恐慌が有名だが、1907年の金融危機はその危機の広がりや不況の深さにおいて1929年に勝るとも劣らぬものだった。またノーベル賞経済学者のポール・クルーグマンが述べているように、1907年金融危機は2007年のサブプライム金融危機と非常に類似している。2007年危機と同様に、1907年危機も米国が震源の世界恐慌であったこと、資産価値のバブル的な上昇ではなく複雑な金融商品が危機の引き金であったことなどが主な理由だ。いまでもサブプライム金融危機の後遺症に苦しむ世界経済だが、1907年の経験から多くの教訓を得られることは間違いない。しかし残念なことに、1907年金融危機の状況を伝える著作や資料は多く残されていない。1929年の大恐慌についてはジョン・ケネス・ガルブレイス著『バブルの物語』、F・L・アレン著『オンリーイエスタディー』、ゴードン・トマス、マックス・モーガン=ウィッツ共著『ウォール街の崩壊』など多数の名著があるが、それとは好対照だ。本書では、1907年の金融恐慌が起きた背景、そしていかに1つの金融機関への取り付け騒ぎが瞬く間に別の金融機関に飛び火し、野火のようにウォール街全体をなめつくす勢いで広がっていったかを、数日の動きを克明に追うことによって紙面上で見事に再現している。

著者紹介

ブルナー,ロバート・F. (ブルナー,ロバートF.)   Bruner,Robert F.
バージニア大学教授、同大ダーデン経営大学院名誉学長。企業金融、M&A、新興国市場投資など幅広い分野で研究論文を発表。1982年より、バージニア大学ダーデン経営大学院教授。イェール大学、ハーバード大学ビジネススクール卒業(修士課程および博士課程修了)
カー,ショーン・D. (カー,ショーンD.)   Carr,Sean D.
バージニア大学ダーデン経営大学院バッテン研究所エグゼクティブ・ディレクター。バッテン研究所は、企業イノベーションや起業家精神におけるリーダーシップ思考の養成に力を入れる寄付研究機関。その新規ベンチャーおよび企業財務における研究は、ケーススタディ、デジタルメディア、教材などの開発に貢献しており、ケーススタディには受賞歴も多い。10年以上の経験を持つジャーナリストで、CNNやABCニュース(ピーター・ジェニングズのWorld News Tonight)でプロデューサーとして活躍した
雨宮 寛 (アメミヤ ヒロシ)  
コーポレートシチズンシップ代表取締役。コロンビア大学ビジネススクール経営学修士およびハーバード大学ケネディ行政大学院行政学修士。クレディ・スイスおよびモルガン・スタンレーにおいて資産運用商品の商品開発を担当。2006年コーポレートシチズンシップを創業。DWMアセット・マネジメント日本代表。明治大学公共政策大学院兼任講師、法政大学現代福祉学部兼任講師。NPO法人ハンズオン東京副代表理事。CFA協会認定証券アナリスト
今井 章子 (イマイ アキコ)  
コーポレートシチズンシップ取締役。ハーバード大学ケネディ行政大学院行政学修士。英文出版社にて外交評論誌の編集に携わる。ジョンズホプキンス大学ライシャワー東アジア研究所客員研究員、東京大学法学政治学研究科客員研究員等を経た後、政策シンクタンクにて提言などの国内外への広報、海外専門家との政策対話、CSR研究、グローバルな政策人材育成事業などに従事。現在、昭和女子大学ビジネスデザイン学科特命教授として、グローバル化による諸課題や女性のリーダーシップの在り方などについて研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)