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音楽産業再成長のための組織戦略 不確実性と複雑性に対する音楽関連企業の組織マネジメント

出版社名 東洋経済新報社
出版年月 2015年7月
ISBNコード 978-4-492-76218-9
4-492-76218-3
税込価格 3,300円
頁数・縦 208P 22cm

商品内容

要旨

音楽産業などコンテンツビジネスの業界関係者・研究者必読!市場縮小の危機、業界特有の不確実性・複雑性などを乗り越え、新たな企業価値を創造するマネジメント。

目次

序章 音楽産業が直面する不確実性と複雑性の問題
第1章 音楽産業の現状
第2章 不確実性の組織マネジメントと文化産業システムアプローチ
第3章 複雑性の組織マネジメントとコンフィギュレーションアプローチ
第4章 音楽産業の組織研究におけるコンフィギュレーションアプローチの有用性
第5章 結論
終章 再成長のための組織戦略

おすすめコメント

本書は、音楽CDの売上が15年で半減するという厳しい市場環境の中で、レコード会社をはじめとした音楽関連企業が不確実性と複雑性の問題にいかに組織的な対応を行ったのかについて解き明かしている。これまでの研究では、音楽ビジネスの不確実性に対する分析枠組みとして文化産業システムアプローチが提示されてきたが、21世紀に入ってからの複雑性に対する分析枠組みはいまだ提示されていない。その現状を踏まえて、本書では、複雑性の分析に有用なコンフィギュレーションアプローチを提示している。複雑性の時代を迎えて、音楽関連企業が生き残るためには、文化産業システムとコンフィギュレーションという2つのアプローチに基づく組織マネジメントを実践することが必要不可欠であると筆者は指摘する。また、現在、音楽産業は「文化」から「商業」側に振れた組織マネジメントへ移行しようとしており、それに伴い「文化と商業のジレンマ」がさらに増幅する可能性がある。筆者は、日本の音楽産業が再生を図りながら持続的成長を実現するには、「文化と商業のジレンマ」を解消して、文化と商業を結びつける必要があり、そのためには豊かなクリエイティブ能力と高度なマネジメント能力を併せ持ったコンテンツプロデューサーを育成することが重要であると説く。本書は、音楽ビジネスはもちろんのこと、他のコンテンツビジネスのこれからの経営にも有益な示唆を与えるものである。したがって、音楽はじめ、映画、放送、出版、アニメ、ゲームなどのコンテンツビジネスやICT(情報通信技術)ビジネスに従事している実務家やその研究者にとって必読の書といえる。

著者紹介

八木 良太 (ヤギ リョウタ)  
尚美学園大学芸術情報学部准教授。博士(経営学)。1973年愛媛県生まれ。青山学院大学在学中にChar(チャー)のアシスタント・ディレクターを務め、音楽業界に入る。その後、アルファレコード、ビクターエンタテインメントの邦楽ディレクターとして、多数のアーティスト・企画作品を手がける。2006年、東京藝術大学大学院音楽研究科音楽学専攻修士課程修了。2014年、横浜国立大学大学院国際社会科学研究科企業システム専攻博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)