トモルの海
フレーベル館文学の森
出版社名 | フレーベル館 |
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出版年月 | 2023年12月 |
ISBNコード |
978-4-577-05189-4
(4-577-05189-3) |
税込価格 | 1,540円 |
頁数・縦 | 223P 20cm |
NetGalley 会員レビュー
おすすめ度 生きているということは、それだけで素晴らしいんだ。そんなメッセージが直に伝わってきました。大人たちの、何か大事なことを隠すかのような違和感の残る言動や、年上の少女にどこかついてまわる異質さへの疑問が氷解していく終盤には、完全に心を持っていかれました。切なさが胸に迫る一方で、心にあかりを灯し、明日への希望を感じさせてくれる一冊でもありますね。これを読んだ子の胸には、命の尊さやありがたみがしっかりと刻まれるのではないかと思います。著者の祈りにも似た願い、たくさんの親子に届いてほしいです。
おすすめ度 トモルの心の機微とそこから生まれる仕草が子供らしくて微笑ましく、時に見られるちょっと大人びたところにはっとしながら、読み進めた。トモルが応援してきた海色のユニフォームの野球部が、甲子園の準々決勝で惜敗する。落ち込むトモルに、めぐるは「一回きり。でもその一回きりの大切さ」を諭すように語る。めぐるの言葉が優しく優しく積み重なっていく、不思議な感覚。そして、「一回きり」のこの夏休みが終わった。その最後の一行から、しばらく目を離せなかった。今までのふたりのやり取りをずっと噛み締めていたから。一回きりの、不思議で、暖かい、大切な絆の物語をありがとう。
おすすめ度 人は胸の中に、自分だけの海を持ってるのですね。でも、そこは見つけようと、ホントの心で探そうとしないと見つからない。その海を、トモルは見つけたんですね。めぐるちゃんと過ごしたかけがえのない、たった一回の夏に。そして、心に広がるこの自分だけの海の世界では、容赦ない現実が与えた強烈なダメージであっても、たとえそれが一回きりの出来事で、決して変えられない現実だとしても、一瞬に、闇を晴らすような光に変えることができる。過去の「事実」は、変わらない。決して。でも、この海から見るその事実は、別のホントを見せてくれる。せつなく美しい、一つの夏の物語。大事なことを暖かな涙と、爽やかな笑顔で教えてくれました。 上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ) NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。 |
商品内容
要旨 |
未知の可能性を秘めたかがやきを放つ新人作家デビュー。第4回フレーベル館ものがたり新人賞大賞受賞作。少年トモルが出会った、ふしぎな少女の正体は―。現実と夢が溶けあう、わすれられない“たった一回”の物語。 |
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