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モルブス・アウストリアクス オーストリア文学をめぐる16章

出版社名 法政大学出版局
出版年月 2023年5月
ISBNコード 978-4-588-49521-2
4-588-49521-6
税込価格 7,480円
頁数・縦 428,2P 22cm

商品内容

要旨

消滅したかつての帝国をも含む神話への深い執着と愛憎は「オーストリア病(モルブス・アウストリアクス)」と表現される。「ニーベルンゲンの歌」から、ホーフマンスタール、ムージル、ツヴァイク、バッハマン、ベルンハルトまで、この「病い」が駆動させるアクチュアリティを問う。

目次

序章 モルブス・アウストリアクスあるいはオーストリア文学の過去と未来の間
第1部(「ドイツ」国民叙事詩?―オーストリア文学史叙述における『ニーベルンゲンの歌』
「全的人間」による共同体の創造―ホーフマンスタール『国民の精神的空間としての書物』とディルタイの精神科学
「この時代」の文化批判―ムージルの「カカーニエン」とアウストロ・ファシズム
「この小さな国―偶然にも私の故国」―シュテファン・ツヴァイク『昨日の世界』における「故郷」としてのオーストリア
『聖霊降臨節の牧歌』から『聖霊降臨節の旅』へ―K・H・ヴァッガールにおける第二次世界大戦中/戦後の「故郷」理念の変化
ナチスの桂冠詩人か、言語芸術の革新者か―ヨーゼフ・ヴァインヘーバーの戦後オーストリア文学における立ち位置)
第2部(アイヒンガー、アイゼンライヒ、ドーデラー―不信の詩学あるいは「オーストリア的なるもの」の象徴化と神話化
インゲボルク・バッハマンと戦後ウィーン
「オーストリア的なるもの」の緩慢なる自殺あるいは損傷した物語―ゲアハルト・フリッチュの長編『石の上の苔』と『ファッシング』について
「けっしてひとりではない」場所―ミロ・ドールにおける故郷と自伝的語り
腐食する現在、拓かれる過去―イルゼ・アイヒンガーの詩における「錆」の主題
トーマス・ベルンハルト『地上でそして地獄で』における反復される「私」―詩「顔たちの日」と「九篇の聖歌」を例として
革命とフラグメント―初期ベルンハルトの中編小説
ローベルト・ヴァルザー『散歩』とトーマス・ベルンハルト『行く』―二つの歩行する散文の分岐点
自伝が生まれる時―メタフィクションとしてのトーマス・ベルンハルト『推敲』について)

著者紹介

前田 佳一 (マエダ ケイイチ)  
1983年生まれ。お茶の水女子大学基幹研究院准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は近現代ドイツ文学、オーストリア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)