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自殺の思想史 抗って生きるために

出版社名 みすず書房
出版年月 2022年10月
ISBNコード 978-4-622-09069-4
4-622-09069-4
税込価格 4,950円
頁数・縦 248,25P 20cm

商品内容

要旨

自殺を止めるための根拠を、思想の歴史に見つけ出す。

目次

第1章 古代の世界―聖書、ギリシャ、ローマ
第2章 宗教は自殺を認めない―キリスト教、イスラム教、ユダヤ教
第3章 生きるべきか死ぬべきか―モダニズムの新興における新たな疑問
第4章 非宗教的な哲学による自殺の擁護
第5章 共同体の議論―古代ギリシャから現代まで
第6章 共同体と影響に関する現代の社会科学
第7章 未来の自分に対する希望
第8章 自殺について考察した二〇世紀のふたりの人物―デュルケームとカミュ
第9章 苦しみと幸せ
第10章 現代の哲学的対話―シオラン、フーコー、サズ

出版社・メーカーコメント

自殺をしてはいけない。この言葉は、どのように根拠づけられるのだろうか?この問いへの答えを求めて、古代ローマの歴史的資料や古代ギリシャの哲学者たちの思索をはじめ、戯曲や芸術、キリスト教やイスラム教といった宗教思想、宗教から距離を置いた哲学、社会学的な取り扱いまでをも含んだ広い視野で「自殺」がどう考えられてきたのかをまとめ上げる。古くは宗教的な罪とされていた自殺は、精神医学の発展に伴って倫理的に中立なものになり、現代では選択肢や権利として肯定する立場さえある。このような思想の変遷の中にも、自殺を肯定しない考え方が確かに生き残ってきた。誰もが納得する答えを出すことがむずかしい問いである。それでも、生きることをやめないでほしい、という切実な思いに向き合い、生きることをやめるべきではない理由とその論理をたどることが、この生に踏みとどまる助けになりうるし、切実な悩みに応えるためのヒントになりうるだろう。 「生き続けるべきだという主張と証拠について考え、それを選ぶことがはじめの一歩になる。そのあとはどんなことも起こりうる。まず、生き続けることを選んでほしい」(本文より)

著者紹介

ヘクト,ジェニファー・マイケル (ヘクト,ジェニファーマイケル)   Hecht,Jennifer Michael
科学史、文化史を専門とする歴史学者、詩人。コメンテーター、ディスカバリーチャンネルなどのテレビ番組、各種ラジオ、ポッドキャストに出演。『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』などへの寄稿や、講演活動を精力的に行う
月沢 李歌子 (ツキサワ リカコ)  
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)