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獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち

イースト新書 127

出版社名 イースト・プレス
出版年月 2020年10月
ISBNコード 978-4-7816-5127-9
4-7816-5127-5
税込価格 946円
頁数・縦 189P 18cm

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要旨

最近、イノシシやクマが市街地に出現したというニュースを見聞きすることが増えたと感じることはないだろうか。それは気のせいではなく、実際にいくつかの種では生息数が増加しているようだ。併せて、野生動物が農作物や人身に被害をもたらす「獣害」が多発し、深刻な社会問題となってきている。本書では、官公庁のデータや実地調査などを元に、野生動物が増加している事実や獣害の実態、頭数管理に関する問題点などを解説。「森を追われた野生動物を保護するべき」という論調に対して、増加した野生動物は確実に生息域を拡大しており、追われているのはむしろ人間の方だと訴えている。野生動物の駆除に対して「野生動物がかわいそう」と感情的に反応するのではなく、現実を正しく認識して対策することが野生動物との共存に必要だという。著者はフリーランスの森林ジャーナリストで、『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』(築地書館)『絶望の林業』(新泉社)などの著作がある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2020年11月17日]

商品内容

要旨

近年、街中にシカやイノシシ、クマが出没して、よく騒ぎになっている。ニュースで目にした方も多いことだろう。しかし、そうした野生動物による「獣害」の実態を知る者は少ない。捕獲頭数はシカとイノシシだけで年間一〇〇万頭を優に超え、農林水産業被害の総額は、報告されていないものを含めれば年間一〇〇〇億円を超えるといわれている。「人間は動物の住処を奪っている」と思っている人は多いが、実際はむしろ「動物が人間の住処を奪っている」のだ。様々な媒体で動物と人、そして森の関係を取り上げてきた森林ジャーナリストが、日本の緊急事態・獣害の実態に迫る。

目次

第1章 日本は野生動物の楽園?(身近な野生動物、イヌとネコ
列島全域が「奈良公園」状態 ほか)
第2章 破壊される自然と人間社会(鳥獣被害額は一〇〇〇億円以上?
森林を草原にする知られざる破壊力 ほか)
第3章 野生動物が増えた本当の理由(国が野生動物を保護した時代
仮説1 地球温暖化で冬を越しやすくなった? ほか)
第4章 食べて減らす?誤解だらけのジビエ振興(害獣駆除で生じる「もったいない」
期待される猟友会の危うい現実 ほか)
第5章 獣害列島の行く末(トキは害鳥!苛烈な江戸時代の獣害
獣害が少なかった時代の謎解き ほか)

著者紹介

田中 淳夫 (タナカ アツオ)  
1959年大阪生まれ。静岡大学農学部林学科卒。探検部の活動を通して野生動物に興味を抱く。同大学を卒業後、出版社、新聞社等を経てフリーの森林ジャーナリストになり、森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)