今年２月に赤ちゃん絵本『ぽとん　ケーキ　ぱくっ』を講談社から発行したばかりの注目の絵本作家、オオノ・マユミさん（２０１７年度「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」入選）の新刊が登場。「すぷーん　とって」の声がけからはじまる今作は、ちょうど「自分でやりたい！」気持ちがむくむくと芽生えてきた赤ちゃんにぴったりな遊びを提供することができる絵本です。本を開くと、かわいく美しくデザインされた「すぷーんとふぉーく」がひとつずつ。「さあ、どっちがすぷーんかな？」なんて言葉を添えたりして、子どもの反応を見ながらページをめくると、上手にすぷーんを使ってすいかを食べている見開きいっぱいのシーンが広がります。「しゃく　しゃく　しゃく」というリズミカルな擬音語は、耳で聞く赤ちゃんにとって心地よく、今まさに食べているところを連想させます。見事にすぷーんをとれた子も、そうでない子も、これがすぷーんなんだと分かってうれしい。次は「いろんな形」から選ぶ、その次は「いろんな色」から選ぶ、「いろんな種類」から選ぶ、「いろんな大きさ」から選ぶ…と、「とって」遊びはページをめくるごとにバリエーション豊かに展開していき、赤ちゃんを退屈させないでしょう。そして最後のちょっと意外性のある「とって」は、開いてからのお楽しみ。エンブックスの赤ちゃん絵本らしい「親子でスキンシップしたくなる」とっておきの仕掛けです。さらに今作には贅沢な秘密のおまけが。それはカバーを実際に「とって」みると分かるみたい…。ぜひこの絵本を手に「とって」確かめてみてください！　絵本の隅々まで「とって」遊びが楽しめる１歳半ごろからおすすめの１冊です。