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翻弄されるいのちと文学 震災の後、コロナの渦中、「戦争」前に

出版社名 あけび書房
出版年月 2023年11月
ISBNコード 978-4-87154-242-5
4-87154-242-4
税込価格 2,200円
頁数・縦 319P 19cm

商品内容

要旨

あれから、あの時、そして今。問われているのは同じことなのではないだろうか。たとえば、西条八十が「馬のションベン渡し船だからなぁ」と言って軍歌を作り続けたような、「しかたがない、しかたがない」と流され、流れる…。3・11と福島原発事故後を、パンデミックに攪拌される差別意識を、「新しい戦前」のきな臭さを、文学作品に読み、もう一度問いかけてみたい。それでいいのか、と。

目次

1 三・一一と原発事故後の文学(三・一一から、三・一一へ
核エネルギー認識と三・一一後の文学
個をつなぎ、連帯を求めて
「私」から「私」を越えて
ろうそく一本の抵抗―水上勉と若狭原発
三・一一後に読む『こつなぎ物語』)
2 パンデミックが攪拌する差別意識(「朝鮮」と呼べたとき―小説『大阪環状線』の「在日韓国・朝鮮人」をめぐって
痼疾としての差別意識
パンデミックとシェイクスピア、あるいは石井四郎軍医中将
“馬のションベン”と軍歌までの距離
文学が障害者の「障壁」になるとき)
3 「新しい戦前」に「戦争」を読む(夏に読む大岡昇平
日中戦争と五味川純平
戦争加害をえがくということ―洲之内徹とその小説の評価をめぐって
早乙女勝元と東京大空襲
大江健三郎と天皇(制)、また「戦後民主主義」―「セヴンティーン」から「晩年様式集」まで
「平和」と「勝利」と「民主」という思想―大江健三郎の二つのノー卜から
ドイツの「沈黙」、ニッポンの「沈黙」)

著者紹介

新船 海三郎 (シンフネ カイサブロウ)  
1947年北海道留萌生まれ。大阪市立大学(文学部)中退。新聞記者、雑誌編集者、出版社代表などを経る。日本民主主義文学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)