
アメリカひじき・火垂るの墓
改版
新潮文庫
出版社名 | 新潮社 |
---|---|
出版年月 | 2003年7月 |
ISBNコード |
978-4-10-111203-9
(4-10-111203-7) |
税込価格 | 693円 |
頁数・縦 | 272P 16cm |
書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
-
-
-
おすすめ度
- 福文堂書店本店 (愛知県名古屋市中区)
例のジブリのアニメ映画の表紙が目を引きますね。
読み始めてすぐに思ったのは「うわ、読みにくい!!」
この作者の文章は非常に独特のリズムがあるのです。
句読点の使い方が読み慣れた文章とはまるで違うのです。
一つの文章が細かく「、」で区切られ長々と続き、体言止めも多く用いられます。
目で追っていると時々つんのめってしまうけれど、
声に出してみるとそのリズムの小気味良さがよくわかります。
さて、物語の内容ですが、
第二次世界大戦中、あるいは戦後の日本人の体験、生活を描いたいくつかの短編が収められています。
非常に生々しく、生きるか死ぬかの瀬戸際で人はどう振る舞うのか、とか悲しさだけでなく、人の汚さ、厭らしさなど、決して綺麗事では済まされない現実を突きつけられたような気がします。
幼い娘を殺害した久子という女性を描いた「死児を育てる」という物語が非常に印象に残りました。
決して気楽に読める作品ではありませんが、
やっぱり1度は読んでおくべき作品なのだろうなぁ、と思いました。(2019年5月7日)
-
おすすめ度
-
商品内容
要旨 |
昭和20年9月21日、神戸・三宮駅構内で浮浪児の清太が死んだ。虱だらけの腹巻きの中にあったドロップの缶。その缶を駅員が暗がりに投げると、栄養失調で死んだ四歳の妹、節子の白い骨がころげ、蛍があわただしくとびかった―浮浪児兄妹の餓死までを独自の文体で印象深く描いた『火垂るの墓』、そして『アメリカひじき』の直木賞受賞の二作をはじめ、著者の作家的原点を示す6編。 |
---|