書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
次代を担う若手の歴史学者たちが、最新の研究成果をいままでにない斬新な視点から歴史を描く。というコンセプトで企画されたこの『日本の歴史』シリーズをご紹介したい。旧石器・縄文・弥生・古墳時代を扱う本巻の特徴のひとつは、人工物や行動や社会の本質を心の科学によって分析しようとする「認知考古学」の導入である。このことは、戦後歴史学の理論的支柱のひとつとなるほどの大きな影響力をもった、史的唯物論からの脱却を図る試みとして大きな意味をもっている。また、社会の変化における気候変動の重要さを認識したことも、大きな特徴といえる。寒冷化と温暖化という環境の変化にともない、ヒトの生態や認知、行動が変わってゆくという視座から、物質文化の変化を説明してゆく。同じ環境の下では歴史は繰り返し、つねに一方向に直線的に進むわけではないという論は、ヒトの心の科学の成果としても興味深い。このようなヒトの社会が地球規模の環境に従属してきたという事実を見つめると、現在の地球温暖化騒動にみられる、思い上がった現代人の尊大さに眉をひそめたくなる気がしたのは読書子だけであろうか。出版から半年近くまで放置し、紹介が遅れたことをいま激しく
(2008年4月7日)
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商品内容
文学賞情報 |
2008年
第30回
サントリー学芸賞・思想・歴史部門受賞 |
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要旨 |
四万年の歩みを一気に描く新しい列島史。 |
目次 |
第1章 森と草原の狩人―旧石器時代 |
出版社 商品紹介 |
一般読者を対象とした古代から現代までの日本通史の企画。混迷の時代の21世紀を生き抜くためのさまざまな知恵を先人に学ぶ。 |
おすすめコメント
いままでにない斬新な視点で解明する日本。新たな歴史から、日本の未来が見えてきます。●最新の研究成果を盛り込み、新視点から歴史を描く。日本通史の決定版。●時代像をわかりやすく提示。歴史の流れが理解しやすい構成です。●主人公は、普通の人びと。庶民の生活や文化にもスポットをあてます。●世代を超えて楽しめる記述。理解を深める写真やイラスト、図解もふんだんに。●新しい日本の歴史の幕が開く。執筆陣は次代を担う歴史学者たち。文字が発達する前の社会は、「モノ」が文字の代わりだった。「モノ」と人との相互関係に注目すれば、見慣れた土器も埴輪も刀も古墳も、みんな多彩な意味を語り出す。4万年を一気に描く、まったく新しい列島文化史。