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偽りの帝国 緊急報告・フォルクスワーゲン排ガス不正の闇

出版社名 文藝春秋
出版年月 2016年8月
ISBNコード 978-4-16-390483-2
4-16-390483-2
税込価格 1,540円
頁数・縦 202,4P 20cm

商品内容

要旨

販売台数世界一に手をかけた瞬間、発覚した未曾有のスキャンダル。違法ソフトウェアは誰がなぜ使ったのか?辞任したCEOはどうかかわったのか?発覚から1年、在独25年のジャーナリストが現地徹底取材で数々の謎に迫る。

目次

第1章 VW排ガス不正の衝撃(吹き飛んだ平和な週末
逃げ隠れはできない ほか)
第2章 帝国の内なる不安(影の最高権力者
ポルシェ・ピエヒ家の絶大な影響力 ほか)
第3章 不正はいかにして行われたか(訴訟抗弁書が明らかにする不正の実態
米国市場攻略の大号令 ほか)
第4章 襲いかかる巨額の経済負担(米国でマンモス訴訟開始
訴訟ジャングルで虎の尾を踏んだ ほか)
第5章 不正は氷山の一角(すべての企業が抱えるジレンマ
規則違反が法律違反にエスカレート ほか)

おすすめコメント

誰が、なぜ? 現地徹底取材で送る、王国の腐敗 2015年9月、世界の自動車市場でトヨタと1位、2位を争うフォルクスワーゲン(VW)グループで、創業以来最大のスキャンダルが発覚した。同社は、一部のディーゼル車のエンジンに違法なソフトウエアを搭載することによって、米国の厳しい窒素酸化物規制をかいくぐっていたのだ。欧州最大の自動車メーカーの株価は一時約40%下落し、250億ユーロ・3兆5000億円の株式時価総額が吹き飛んだ。マルティン・ヴィンターコルンCEO(経営最高責任者)は、引責辞任に追い込まれ、トヨタ打倒の夢は、一瞬にして崩れ去った。この事件によるVWの負担総額は7兆円から13兆円にのぼる可能性がある、と言われる。世界中に12の自動車メーカー、60万人の従業員を抱える、ドイツの看板企業、コンプライアンス(法令順守)を重視する優良企業が、なぜ排ガスデータを捏造したのか? 25年間にわたってドイツで働き、この国の経済・社会について多数の本や論文を発表してきたジャーナリストが、世界の経済史に残る巨大スキャンダルを徹底取材。日本では伝えられない資料を駆使して、事件の経過、VWの歴史、社内権力構造を分析。事件の闇に光を当てる。

著者紹介

熊谷 徹 (クマガイ トオル)  
1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン支局勤務中に、ベルリンの壁崩壊、米ソ首脳会談などを取材。90年からはフリージャーナリストとしてドイツ・ミュンヘン市に在住。過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』(高文研)で2007年度平和・協同ジャーナリズム奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)