• 本

「甲子園」の眺め方 歴史としての高校野球

出版社名 小さ子社
出版年月 2018年10月
ISBNコード 978-4-909782-00-7
4-909782-00-1
税込価格 3,850円
頁数・縦 334,60P 21cm

商品内容

要旨

100年以上にわたって、日本社会に根付いたスポーツである野球。しかしその社会的定着や「人気」を集める所以を、日本人・日本社会の特殊性で片付けることなく、どこまで意識的に主題化して論じてきただろうか―本書は、旧制中学=新制高校の野球を主題に据えて、野球とその社会的位置や支える制度やモノ、意識の形成と展開を、さまざまな光をあてて歴史的に跡づける。それは、東アジア近現代史への理解とともに野球をとらえなおす、また逆に野球からとらえなおすことであり、そのことによって、「汗と涙と感動の物語」「野球ができる平和な世の中に感謝」という一般的な「甲子園」観を更新することができるだろう。「甲子園」という「汗と涙と感動の物語」をどう「眺め」直すか、歴史研究の立場からその対象としての可能性を確かめる。

目次

序章 高校野球史の現在と可能性を探る
総論 高校野球一〇〇年のあゆみ
第1章 明治期宗教系学校と野球・研究序説―曹洞宗第一中学林を中心に
第2章 地域の野球を護るもの―京阪の運動具店と中央運動社
第3章 植民地朝鮮と甲子園―在朝日本人中等学校の野球史
第4章 満洲・台湾と甲子園
第5章 高校野球「雪国のハンディ」論の形成
第6章 全日本少年野球大会始末―もうひとつの甲子園
第7章 高校野球部マネージャーの系譜―男子マネから女子マネへ
第8章 甲子園大会の「国民的行事」化―一九七〇年代における新聞・雑誌報道の変容
第9章 「公立優位県」富山県の分析―「夏の高校野球 都道府県大会決勝進出校データ」をもとに

著者紹介

白川 哲夫 (シラカワ テツオ)  
1976年生。琵琶湖疏水記念館資料研究専門員
谷川 穣 (タニガワ ユタカ)  
1973年生。京都大学大学院文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)