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古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで

中公新書 2533

出版社名 中央公論新社
出版年月 2019年3月
ISBNコード 978-4-12-102533-3
4-12-102533-4
税込価格 968円
頁数・縦 280P 18cm

商品内容

要旨

607年、日本は隋の煬帝に「日出ずる処の天子」で名高い書状を送る。以後、対等の関係を築き、中国を大国とみなすことはなかった―。こうした通説は事実なのか。日本はアジア情勢を横目に、いかなる手段・方針・目的をもって中国と交渉したのか。本書は、倭の五王の時代から、5回の遣隋使、15回の遣唐使、さらには派遣後まで、500年間に及ぶ日中間の交渉の軌跡を実証的に、「常識」に疑問を呈しながら描く。

目次

第1章 倭の五王の時代―「治天下大王」の中国南朝交渉(五世紀、宋王朝に何を求めたか
倭国人のイメージ―梁「職貢図」が語るもの
「天下」とは―倭国で中華思想は芽生えたか)
第2章 遣隋使の派遣―「菩薩天子」への朝貢(梁による仏教隆盛―朝鮮諸国、倭への「公伝」の意味
倭王権の安定、大国隋の登場―対中交渉の再開
六〇七年、「日出処の天子」の真意
対随外交の真実―なぜ対等・冊封を求めなかったか)
第3章 遣唐使の一五回―一代一度、朝貢の実態(太宗の歓迎から白村江の戦いへ―六三〇〜六六三年
唐からの接近、国号「日本」変更の願い入れ
崇仏国・唐への仏教アピール―鑑真来日と道教拒否
衰微する大国と排外主義―円仁が見た中国)
第4章 巡礼僧、海商の時代―一〇世紀、唐滅亡以降(最後の遣唐使計画―宇多天皇の意欲、菅原道真の反対
戦乱の五代十国時代―「聖地」を目指す日本の巡礼僧
宋による統一―国家間交渉の終焉)
おわりに 歴史的事実とは―「外交」と遣隋使

おすすめコメント

607年、日本は隋の煬帝に「日出ずる処の天子」で名高い書状を送る。以後、対等の関係を築き、中国を大国とみなすことはなかった――。こうした通説は事実なのか。日本はアジア情勢を横目に、いかなる手段・方針・目的をもって中国と交渉したのか。本書は、倭の五王から、5回の遣隋使、11回の遣唐使、さらには派遣停止後まで、500年間に及ぶ日中間の交渉の軌跡を「常識」に疑問を呈しながら、実証的に描く。

著者紹介

河上 麻由子 (カワカミ マユコ)  
1980(昭和55)年北海道生まれ。2002年北海道大学文学部人文科学科卒業。08年九州大学大学院人文科学府博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。14年より奈良女子大学文学部准教授。専攻・日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)