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茂吉秀歌『赤光』百首

講談社文芸文庫 つE11

出版社名 講談社
出版年月 2019年11月
ISBNコード 978-4-06-517874-4
4-06-517874-6
税込価格 1,980円
頁数・縦 364P 16cm

商品内容

要旨

人人は茂吉の、一見難解で、一読非情な作品に、いつとは知らず魅せられ、つひにはこれの擒となる―近代短歌の巨星・斎藤茂吉(一八八二〜一九五三)の一万四千百八十首から、前衛歌人・批評家が五百首を精選、解説・鑑賞を施した『茂吉秀歌』。本巻では第一歌集『赤光』からの百首を採った。アララギ派一門とは別角度から蛮勇をふるい、歌本来の魅力を縦横に論じた歴史的名著。

目次

ひた走るわが道暗ししんしんと堪へかねたるわが道くらし(悲報來)
ほのぼのとおのれ光りてながれたる螢を殺すわが道くらし(同前)
氷きるをとこの口のたばこの火赤かりければ見て走りたり(同前)
赤彦と赤彦が妻吾に寝よと蚤とり粉を呉れにけらずや(同前)
罌粟はたの向うに湖の光りたる信濃のくにに目ざめけるかも(同前)
鳳仙花城あとに散り散りたまる夕かたまけて忍び逢ひたれ(屋上の石)
天そそる山のまほらに夕よどむ光りのなかに抱きけるかも(同前)
屋根にゐて微けき憂湧きにけり目したの街のなりはひの見ゆ(同前)〔ほか〕

おすすめコメント

前衛歌人にして第一級の批評家が、茂吉の第一歌集『赤光』から百句を厳選・鑑賞を施し、日本詩歌のあるべき姿を追究した歴史的名著。

著者紹介

塚本 邦雄 (ツカモト クニオ)  
1920・8・7〜2005・6・9。歌人、評論家、小説家。滋賀県生まれ。歌誌「日本歌人」(前川佐美雄主宰)に入会。1951年、『水葬物語』で歌壇に登場。60年、岡井隆、寺山修司等と「極」を創刊。85年、歌誌「玲瓏」主宰。反リアリズムの前衛短歌の雄として精力的に活動。『日本人靈歌』で現代歌人協会賞、『詩歌變』で詩歌文学館賞、『不變律』で迢空賞、『黄金律』で斎藤茂吉短歌文学賞、『魔王』で現代短歌大賞を各々受賞。97年、勲四等旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)