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アニメと声優のメディア史 なぜ女性が少年を演じるのか

出版社名 青弓社
出版年月 2020年12月
ISBNコード 978-4-7872-3478-0
4-7872-3478-1
税込価格 2,200円
頁数・縦 217P 19cm

商品内容

要旨

魔法少女、アイドル、萌え…。女性声優はアニメの変遷とともに多様で多層的な世界を築いている。少年から青年まで、性を超えてキャラクターを演じる女性声優たちが視聴者にアプローチするさまを中心に、アニメと声優のメディア史を考察する。

目次

少年役を演じる女性声優―リミテッド・アニメーションと声
第1部 少年役を演じる女性声優の歴史(連続放送劇と民主化
子どもを演じること―木下喜久子と『鐘の鳴る丘』
他者との同期―一九五〇年代テレビ黎明期における声の拡張
アニメのアフレコにおける声優の演技
東映動画という例外―一九五〇年代末から六〇年代の子役の起用)
第2部 ファンとの交流と少年役を演じる女性声優(アニメ雑誌とスター化する声優―一九七〇年代の変化
声優とキャラクターの同一視―一九八〇年代の新人声優たち
「萌え」と「声のデータベース」―一九九〇年代におけるキャラクターの声
「萌え」の時代に少年を演じること
受け継がれていく「ずれ」と「萌え」―キャラクターに仮託された理想)
補論 アニメ関連領域から再考する少年役を演じる女性声優

出版社・メーカーコメント

野沢雅子、小原乃梨子、田中真弓、緒方恵美、高山みなみ……。アニメの少年を女性の声優が演じることに、違和感はまったく感じない。しかしこれは、ディズニーアニメで少年を子どもが演じるのとは対照的な、日本アニメの特徴だ。こうした配役はどのようにして生まれ、アニメ文化に何をもたらしてきたのだろうか。少年を演じる女性声優を軸にアニメと声優の歴史をたどり、日本が独自に育んできたアニメと声の文化を描き出す。子役起用が難しいという制約から始まった少年に女性声優をあてる配役は、魔法少女もの、アイドルアニメ、萌えアニメ、BLなどのアニメの変遷とともに実に多様な広がりを見せている。性も年齢も超えて恋愛対象としての「イケボ」の青年まで演じる女性声優は、外見とキャラクターとの差異やジェンダーのズレから、視聴者に独特の欲望を喚起している。みんなに愛される少年から女性が恋する青年までの女性声優を切り口に、アニメと声優のメディア史を考察する。

著者紹介

石田 美紀 (イシダ ミノリ)  
1972年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。新潟大学経済科学部教授。専攻は視聴覚文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)