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「男らしさ」はつらいよ

出版社名 双葉社
出版年月 2021年3月
ISBNコード 978-4-575-31601-8
4-575-31601-6
税込価格 2,200円
頁数・縦 476P 19cm

商品内容

要旨

男、女、あらゆる性にとっての抑圧につながる「男らしさ」の固定観念はなぜ植えつけられ、どのように人生に影響してしまうのか?そこから自由になるにはどうすればいい?英国の人気コメディアンの半生記を邦訳。暴力的な父親のもとで育ったがゆえに「男らしさ」を嫌っていたはずが、いつしか「白人男性」という強者として男社会に適応してゆく己のことも自覚し、葛藤の中で成長してきた著者。自身の半生における加害性と被害性を見つめ、「変わりたい/変われない」ことに悩みながら対立を煽る「トリック」に抗い、この社会の最小構成単位=個人として他者と生きるためにどうあるべきかを考える、たくさんの「途中の人」のための男性学。

目次

第1幕(「男は父親のようにはならない」
「男は内気ではいけない」
「男はスポーツ好きでなきゃ」
「男は勇敢であれ」
「男は先生に気に入られたりしない」
「男は男と恋に落ちたりしない」
「男が童貞なんて恥ずかしい」
「男は泣いたりしないんだ」)
第2幕(「男は決まりに従うものだ」
「男は痛みを隠さなければならない」
「男にはセラピーなんていらない」
「男は女のことをわかっている」
「男は進むべき道を間違えない」
「男は己を知っている」)

出版社・メーカーコメント

まずは、鏡に映る男から変えないか。  男はなぜ女性や少数者を見下し、なぜ父親を憎み、なぜ他者を攻撃したくなるのか? 自らの体験の数々から、「男性性」と向き合う必要性と困難を男社会の最小単位=個人から考える。  「男は内気ではいけない」「そんなの女やゲイのやることだ」 「男が童貞なんて恥ずかしい」「目上の者には黙って従え」 「男ならスポーツ好きでなきゃ」「男は弱音を吐いてはいけない」…… 社会が強固に刷り込む「男らしさ」の常套句の数々。  男、女、あらゆる性にとって抑圧的になりうる「男らしさ」の固定観念はなぜ植えつけられ、どのように人生に影響してしまうのか? そして、そこから自由になるにはどうすればいいのか?  子供の頃は嫌悪していたはずの「男らしさ」にいつの間にかどっぷり染まって育ち、他者も自分も傷つけて生きてきた著者が、 実体験をもとに「変わりたい」「変われない」男としての自分を吐露し、それでも他者を尊重できる人間になるためにどうするべきかを考える、 たくさんの「途中の人」のための男性学。  いまだ日本が完全な男性中心社会であることがあまりに露骨に示されてしまう要人発言が相次ぐ昨今、その社会を「まずは男の側から変えるため」に大事な思考が自省とともに当事者の視点で書かれた、男性学入門とも言える一冊です。  著者:ロバート・ウェッブ  英国の人気コメディアン。地方の労働者階級の家に生まれ、物語と自然を愛しサッカーの苦手な「男らしくない」少年だった彼が、周囲の自明視する「男らしさ」に疑問を持ちながら成長しながらも、自らが忌避してきたはずの「男らしさ」の影響から逃れきれずに他者や自己をも傷つけ苦しむようになった過程と、そこから少しずつ脱却していくための考えを、真摯に、しかしコメディアンらしくユーモアたっぷりに半生記の形で書き、2017年に英国で発売されて大きな話題になった原著「How Not To Be A Boy」の邦訳です。  翻訳:夏目大 『タコの心身問題』(みすず書房)などを手がける名手。著者の子供時代の「男らしくない」ポイントの数々に激しくご共感いただき、「これを訳することになったのは運命ではないかと思っている」という熱意を込めて丹念な翻訳をしていただきました。

著者紹介

ウェッブ,ロバート (ウェッブ,ロバート)   Webb,Robert
イギリス・リンカンシャー生まれ。コメディアン、俳優、作家。ケンブリッジ大学で出会ったデヴィッド・ミッチェルとともにコンビ「ミッチェル&ウェッブ」で活動する。シットコム『ピープ・ショー ボクたち妄想族』で頭角を現し、以降テレビを中心に活躍。文筆家としては2017年に『How Not to be a Boy』、2020年には初の小説『Come Again』を刊行した
夏目 大 (ナツメ ダイ)  
大阪府生まれ。翻訳家。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)