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大麻の社会学

出版社名 青弓社
出版年月 2021年7月
ISBNコード 978-4-7872-3492-6
4-7872-3492-7
税込価格 3,740円
頁数・縦 276P 21cm

商品内容

要旨

大麻を語ることは、摘発と逮捕、規制史と統治性権力、抵抗と社会運動、そして嗜好する人たちの生そのものを論じるということである。文化社会学と犯罪社会学の立場からアメリカと日本の大麻政策の100年間を精査して、有害か自由化かとは異なる視点から大麻をめぐる論争に一石を投じる。

目次

序章 なぜ大麻を語るのか
第1章 ドラッグとしての大麻―ドラッグ論の視座と刑罰の多元性
第2章 現在の欧米における大麻政策―非罰化と合法化をめぐる統治性
第3章 戦前アメリカの大麻規制―ジャズ・モラルパニック・人種差別
第4章 ドラッグ戦争と政治―ゲートウェイと新保守主義
第5章 日本での大麻の変遷―近代帝国主義から戦後の道程
第6章 大麻と精神医学―主体なき責任の帰属
第7章 紫煙と社会運動―戦後日本の大麻自由化運動
終章 大麻規制と人々の生

出版社・メーカーコメント

芸能人の逮捕ニュースや使用罪の賛否で耳目を集める大麻。それは、麻薬なのか、医薬品なのか、嗜好に適したハーブなのか、覚醒剤への入り口なのか。摘発して厳罰に処すべきなのか、それとも自由化すればいいのか。 禁酒法と大恐慌後の1930年代に「黒人のドラッグ」として大麻を規制したアメリカでは、戦後のビートニク、ベトナム反戦運動、ヒッピー、摘発を強化した「ドラッグ戦争」などを経て、現在は非罰化・合法化する大都市と州が増えている。同様にヨーロッパも非罰化へと向かっている。 日本では、1930年の麻薬取締規則や48年の大麻取締法で規制を強化して摘発を重ねている。しかし一方で、アメリカの対抗文化に呼応しながらも独自に自由化運動を展開している。具体例として、新宿ビートニクからコミューン運動、レゲエやラスタ思想との関連、スピリチュアリズムへの傾倒、非犯罪化市民運動などの潮流を概観する。さらに、戦前の帝国時代に各家庭に頒布した神宮大麻も取り上げて、政策の変遷を描く。 大麻を語ることは、摘発と逮捕、規制史と統治性権力、抵抗と社会運動、そして嗜好する人たちの生そのものを論じるということである。 文化社会学と犯罪社会学の立場から大麻所持の厳罰化の100年間を精査して、有害か自由化かを超えた大麻をめぐる論争に一石を投じる。

著者紹介

山本 奈生 (ヤマモト ナオ)  
1979年、大阪府生まれ。佛教大学大学院博士課程修了。博士(社会学)。佛教大学社会学部現代社会学科准教授。専門は文化社会学、犯罪社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)