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ハーケンクロイツの文化史 シュリーマンの「再発見」からナチ、そして現在まで

出版社名 青土社
出版年月 2023年1月
ISBNコード 978-4-7917-7529-3
4-7917-7529-5
税込価格 3,960円
頁数・縦 381,4P 20cm

商品内容

要旨

シュリーマンにより再発見されたのち、世紀転換期の民族至上主義運動のなかで「アーリア人のしるし」と目され、ロシア革命後「反ボルシェヴィズム」という意味合いも付与された鉤十字。ナチのシンボルとなり、その後も物議を醸しつつ使用されていった。ブラヴァツキー夫人、リルケ、ブレヒト、ラヴクラフト、谷崎、法輪功まで、鉤十字に引きつけられた人々と彼らが付与した意味づけを紹介し、その軌跡をたどる。

目次

本書の意図
シュリーマンと考古学者たち
アングロ・インドのスヴァスティカ―ブラヴァツキー夫人とラドヤード・キプリング
両性具有のスヴァスティカ―アルフレート・シューラーとルートヴィヒ・クラーゲス
鉤十字のある礼拝堂―ミュゾットのリルケ
「猿族」への宣戦―ランツ・フォン・リーベンフェルス、ストリンドベリ、ヘルツマノフスキー=オルランドー
シュテファン・ゲオルゲとドイツの人文学
「永遠のドイツ人」―フランツ・ローゼンツヴァイクとヘルマン・ブルテ
ロシア皇帝一家の銃殺―アレクサンドラ・フェドローヴナの迷信とユダヤ人ボルシェヴィキ
武装せるシンボル1―義勇軍とトゥーレ協会
武装せるシンボル2―ウンゲルン=シュテルンベルク男爵
ゲーリング、ヒトラー、ローゼンベルク
左翼によるカリカチュア化―ブレヒトからヴィルヘルム・ライヒ、カネッティまで
アメリカのホロコースト―H・P・ラヴクラフト
耽美に死す―谷崎潤一郎の長篇小説『卍』
ドーリア的世界―ゴットフリート・ベンとユリウス・エヴォラ
ヒト型スヴァスティカ―レオ・フロベニウスと「文化人類学者」ヴィルヘルム2世
鉤十字の国旗化
一九四五年以降―暴走族、歴史改変SF、ブリティッシュ・パンク、法輪功

出版社・メーカーコメント

鉤十字――この悪名高き「ナチのシンボル」は、いかにしてそうなってしまったのか? 19世紀後半、考古学者に「再発見」された鉤十字に、オカルティストが、文学者が、思想家が、そして民族至上主義界隈の軍人、政治家が、次々と過剰な意味を読み込んでゆく……。シュリーマンからヴィルヘルム二世、ヒトラーまで、ブラヴァツキーからラヴクラフト、谷崎、果ては法輪功まで、呪われた文化史をたどる。図版多数。

著者紹介

イェーガー,ローレンツ (イェーガー,ローレンツ)   J¨ager,Lorenz
1951年ドイツ生まれ。ジャーナリスト、批評家。1985年にフランクフルト大学にてドイツ文学の博士号を取得したのち、北海道大学、スタンフォード大学など複数の研究機関で講師や客員研究員を務める。1997年から2016年まで『フランクフルター・アルゲマイネ』紙学芸欄編集者。思想家の評伝や、ヨーロッパの精神史にまつわる著作を多く執筆
長谷川 晴生 (ハセガワ ハルオ)  
1984年生まれ。東京理科大学教養教育研究院非常勤講師。ドイツ文学、ドイツ思想を研究
藤崎 剛人 (フジサキ マサト)  
1982年生まれ。埼玉工業大学人間社会学部情報社会学科非常勤講師。カール・シュミットを中心とする公法思想史・政治思想史を研究。『ニューズウィーク日本版』にコラムを連載
今井 宏昌 (イマイ ヒロマサ)  
1987年生まれ。九州大学大学院人文科学研究院准教授。ドイツ現代史を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)