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装飾古墳の謎

文春新書 1390

出版社名 文藝春秋
出版年月 2023年1月
ISBNコード 978-4-16-661390-8
4-16-661390-1
税込価格 1,595円
頁数・縦 271P 18cm

商品内容

要旨

石室内が赤、緑、黄、黒などの図文で彩られた装飾古墳は、なぜ九州と関東周辺に集中し、近畿にはほとんど存在しないのか。筑紫君磐井の乱の敗北をその理由とする通説に反証し、世界的視座から「謎」に迫る。

目次

第1章 装飾古墳とは何か
第2章 研究の略史とデジタル・アーカイブ化
第3章 筑紫君磐井の乱の敗戦が装飾古墳を生んだのか?
第4章 なぜ古墳時代の中心地・近畿に少ないのか?
第5章 装飾古墳が九州に多いのは中国に近いからなのか?
第6章 装飾古墳への旅、日本から世界へ
第7章 近年、注目される装飾墓の調査
第8章 装飾古墳は洞窟壁画と関係があるのか?
第9章 装飾古墳・装飾墓と王墓

出版社・メーカーコメント

はじめに 3第1章 装飾古墳とは何か 15装飾古墳の分類/描かれた文様と顔料/装飾古墳に描かれたもの/文様に込められた意味を探る(三角文)/文様に込められた意味を探る(円文)/装飾古墳の築造年代と分布第2章 研究の略史とデジタル・アーカイブ化 57江戸時代の記録/京都帝国大学による調査/桂川王塚古墳の発見/戦後の取り組み/保存への取り組みの本格化/デジタル・アーカイブの導入/装飾古墳のデジタル・アーカイブの方法/3次元データを研究・保存活用へ/文化財保存の未来へ向けて第3章 筑紫君磐井の乱敗戦が装飾古墳を生んだのか? 77通説の提唱/筑紫君磐井の乱とは/古事記と日本書紀にみる磐井の乱/筑後国風土記にみる磐井の乱/石人石馬/石人石馬から装飾古墳へ/通説に反証する第4章 なぜ古墳時代の中心地・近畿に少ないのか? 103古墳の装飾は誰のためなのか/飾られた死者の空間演出/古墳時代の埋葬施設/九州と近畿の横穴式石室の違い/「飾られた死者」と「隠された死者」/東日本の装飾古墳/白土の意味/黄泉国神話/文化によって異なる死のイメージ/黄泉国への副葬品/横穴式石室はいつ普及したのか/なぜ継体は黄泉国神話を広めたのか/淀川水系にいた土師氏/抵抗勢力となった磐井第5章 装飾古墳が九州に多いのは中国に近いからなのか? 135高松塚古墳やキトラ古墳は装飾古墳なのか/装飾古墳と壁画古墳の違い/絵を描く時のルール/もし、○○人が高松塚古墳の「飛鳥美人」を描いたら/装飾古墳の絵は稚拙な絵なのか/日本だけで理解することの限界第6章 装飾古墳への旅、日本から世界へ 147エジプト/ヌビア/メソポタミア・ペルシャ/ギリシャ・マケドニア・トラキア/トルコ/エトルリア/チュニジア・キプロス/戦国時代までの中国/秦・漢・南北朝時代の中国/隋・唐時代以降の中国/モンゴル・契丹(遼)/高句麗・百済・加耶・新羅/先史ヨーロッパ/ペルシャ湾岸地帯第7章 近年、注目される装飾墓の調査 175(1)インドネシアの装飾墓研究史/レンバク古墓群の発見と装飾墓の系譜/現地入り/埋葬施設と彩色壁画(2)中央アメリカの装飾墓マヤの装飾墓/オアハカの装飾墓/中央アメリカの装飾墓の伝統装飾墓を他地域と比較する視点 ほか

著者紹介

河野 一隆 (カワノ カズタカ)  
1966年生まれ。福岡県出身。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学、奈良大学)。独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館学芸部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)