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金子みすゞと詩の王国

文春文庫 ま44−1

出版社名 文藝春秋
出版年月 2023年3月
ISBNコード 978-4-16-792017-3
4-16-792017-4
税込価格 880円
頁数・縦 348P 16cm

商品内容

要旨

詩人、金子みすゞの希望と挫折の生涯、大正デモクラシーの理想から生まれた童謡詩の盛衰をたどりながら、珠玉の名詩60編を文学の視点から読解する新しいみすゞ論。NHK「100分de名著 金子みすゞ詩集」で指南役を務めた著者が番組テキストに大幅に加筆。図版写真97点、実弟の日記を収載。心に響く暖かな言葉の王国へいざなう。

目次

序章 聖女から詩人へ
第1章 詩心の原風景―童謡詩の誕生
第2章 視点の逆転、想像の飛躍―投稿詩人の誕生
第3章 詩の国の王様―金子みすゞ傑作選
第4章 「童話」の投稿仲間―島田忠夫、佐藤よしみ、渡邊増三
第5章 みすゞの結婚、童謡詩の衰退
第6章 みすゞの死、西條八十の哀悼
間奏曲 みすゞが敬愛した西條八十の小曲
第7章 戦争と軍国童謡
第8章 心にこだまする言葉―童謡とみすゞの復活

出版社・メーカーコメント

新しいみすゞ像と名詩60作を徹底解説!「金子みすゞの詩というと、優しくて可愛らしい作風を連想します。しかし残された五百余編は幅広いテーマを含み、意欲的に創作されたものです。一人で生まれ、一人で死んでいく人間の根源的な孤独、子ども心のあどけなさと寂しさ、小さな命の愛しさ、宇宙の成り立ち、さらに童謡詩の範疇(はんちゅう)を超えて、女性の生き方にも筆を広げています。これらの詩は、みすゞの人生の哀歓とも関わっているのです。」本書より(みんなちがって、みんないい。)「私と小鳥と鈴と」、(こだまでしょうか、いいえ、誰でも。)「こだまでしょうか」などで知られる詩人・金子みすゞ。みすゞの希望と挫折の生涯、大正デモクラシーの理想から生まれた童謡詩の盛衰をたどりながら、珠玉の名詩60編を文学の視点から読解する新しいみすゞ論。NHK「100分de名著 金子みすゞ詩集」で指南役を務めた著者が、番組テキストに大幅に加筆。図版写真97点、実弟の日記を収載の決定版。心に響く暖かな言葉の王国へいざなう。   大漁          朝焼小焼(あさやけこやけ)だ 大漁だ 大羽鰮(おおばいわし)の 大漁だ。  浜は祭りの ようだけど 海のなかでは 何万の 鰮(いわし)のとむらい するだろう。

著者紹介

松本 侑子 (マツモト ユウコ)  
作家・翻訳家。『巨食症の明けない夜明け』すばる文学賞。『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』新田次郎文学賞。訳書に日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ。NHK・Eテレ「100分de名著 金子みすゞ詩集」に指南役として出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)