• 本

茜唄 上

出版社名 角川春樹事務所
出版年月 2023年3月
ISBNコード 978-4-7584-1439-5
4-7584-1439-4
税込価格 1,980円
頁数・縦 339P 20cm
シリーズ名 茜唄

NetGalley 会員レビュー

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

深く思案し、熱く猛り、未来へ紡ぐ物語が心に響きます。間違いなく名作です。権力掌握後の平家といえば、傑物・平清盛に寄りかかり享楽を貪った結果、壇ノ浦に散っていく歴史の教科書の脇役程度の認知でした。しかし本作では当然そのようなことはなく、誰も彼もが一族のため、家族のため、そして己の願いのために、懸命に生きて、散っていきました。死に際の美学と言いますか、顔も知らない遥か昔の武士たちの散り様に何度も心を掻き乱されます。“登場人物のセリフや仕草に想いをのせるのが上手い”ここに私はカッコ良さを感じている。この小説で一番の見所はと聞かれたら「登場人物の一挙一動から滲み出る強烈な“生命”」と答えます。

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

昨年、アニメ『平家物語』と大河ドラマにはまったので、今村先生の描く『平家物語』をとても楽しみにしていました。知将・平知盛の冷静でいて熱いその人物像がどんどん肉付けされていくようで読んでいてとても楽しかったです。知盛だけでなく歴史においては敗者となる人物たちに光が当てられているところも好きです。そして『平家物語』がいかにして編まれ受け継がれてきたのか。その謎が明かされたときはそう来るのかと驚きでしたが、全て読み終えると こんな歴史があっていい!きっとそうに違いない!そんな思いになりました。

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

とにかく面白かったです。平家滅亡の時代を平家物語と絡め,源氏側から描くテレビの鎌倉殿に呼応する形で平家側から描くというアイデアが秀逸。連載中に作者の直木賞受賞も決まり、本作が連載された西日本の新聞読者は平家贔屓も多いかと思うので本作で平家の奮闘を読んで溜飲が下がったのではないでしょうか。最後の方まで平家物語の語り部が分からず、種明かしを読んでビックリしました。壇ノ浦合戦の場面などはあたかも平家物語の語りのようにリズム感があり、作者の力量を感じます。2冊の分厚さですが、あっという間に読み切ってしまいました。

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。
・サイト上には、出版社が発売前の本のゲラやイチオシ既刊本を掲載しています。
・読んでみたい作品にリクエストを送り、出版社に承認されること、読むことができます。
・読んだ作品にレビューやコメントを書くことで、出版社へ直接メッセージを届けることができます。
詳しくはこちら ※e-honとは別サイトに移動します

商品内容

要旨

直木賞作家・今村翔吾が魂をこめて描く、熱き血潮の流れる真「平家物語」!これは、生命の唄。これは、家族の唄。これは、愛の唄。

著者紹介

今村 翔吾 (イマムラ ショウゴ)  
1984年京都府生まれ。「狐の城」で第23回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞を受賞。デビュー作『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』(祥伝社文庫)で第7回歴史時代作家クラブ・文庫書き下ろし新人賞を受賞。同年、「童神」で第10回角川春樹小説賞を、選考委員満場一致の大絶賛で受賞。「童神」は『童の神』と改題し、第160回直木三十五賞候補にもなった。『八本目の槍』(新潮社)で第41回吉川英治文学新人賞、及び第8回野村胡堂文学賞を受賞、「週刊朝日」歴史・時代小説ベスト10第一位に選ばれた。『じんかん』が第163回直木賞候補及び第11回山田風太郎賞受賞、「週刊朝日」歴史・時代小説ベスト3第一位に選ばれた。『塞王の楯』(集英社)で第166回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)