われは熊楠
出版社名 | 文藝春秋 |
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出版年月 | 2024年5月 |
ISBNコード |
978-4-16-391840-2
(4-16-391840-X) |
税込価格 | 2,200円 |
頁数・縦 | 331P 20cm |
書店レビュー
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知られざるエモーショナルな熊楠の人生
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- 本町文化堂 (和歌山県和歌山市)
その類稀なる才気から「紀州の天狗(てんぎゃん)」とも呼ばれた南方熊楠の生涯が、この世のあらゆる事象を知り尽くすことで生命の本質、そして自分自身がどういう存在なのかを追い求めたひとりの男の、現実と夢を行き来する、魂の旅として描かれます。 物語の舞台の大半が和歌山ということで、和歌山弁が自然に飛び交うのも読みどころ。また、熊楠の生涯に大きな影響を与えたと言われている、熊楠と同じ中学の後輩で、熊楠が「属魂の美人なり」と書き残している、羽山繁太郎・蕃次郎の兄弟との、恋愛感情も仄めかされる関係が、物語の中で重要な役割を果たしている事も注目に値します。
(2025年4月20日)
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商品内容
要旨 |
慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離…。かつてない熊楠像で綴る、エモーショナルな歴史小説。 |
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出版社・メーカーコメント
「知る」ことこそが「生きる」こと研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。 慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!