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役に立たないロボット 日本が生み出すスゴい発想

インターナショナル新書 153

出版社名 集英社インターナショナル
出版年月 2025年2月
ISBNコード 978-4-7976-8153-6
4-7976-8153-5
税込価格 1,045円
頁数・縦 269P 18cm

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要旨

従来の人間が担うタスクを肩代わりしたり、補助したりするAIや、AIを搭載したロボットの進化はめざましく、その開発に世界中の研究者が鎬を削っている。その一方で、とくに何らかの「作業」をこなすわけでもないが「癒し」を与えるコミュニケーション・ロボットが、日本を中心につくられ、受け入れられている。本書では、工場の産業ロボットや家庭用お掃除ロボットのような「役に立つロボット」とは異なる、仕事をしない、あるいは仕事ができないロボットについて、現場での取材をもとに考察。対象となるのは、犬型ペットロボットの「AIBO(アイボ)」やアザラシ型セラピーロボット「PARO(パロ)」、家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」といった実機があるものだけでなく、漫画やアニメに登場するロボットキャラクターを含む。それらの本当の価値、なぜ日本で受け入れられているかなどを、本書では分析している。著者は科学コミュニケーター、静岡新聞記者、日本科学未来館勤務などを経て、睡眠ウェルネスアドバイザーや、地域を旅する「さとのば大学」専任講師など、多岐にわたって活躍中。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2025年3月18日]

商品内容

要旨

ロボット大国といわれる日本には、本来の目的であるはずの「労働」をしないロボットたちが、たくさん存在している。関係者たちへの取材を通して、この世界的に例のない不思議な傾向の根底を探っていくと、「役に立たない」うえに「ロボット」でなければ成し得ない役割と、本当の価値が浮かび上がってくる。彼らには、愛玩や癒しを超えて、人に影響をもたらし、社会すら変えてしまうほどの力が隠されていた。

目次

第一章 どのような「役に立たないロボット」が存在するのか?
第二章 「弱いロボット」はウェルビーイングを引き出す
第三章 「LOVOT」、人を幸せにするテクノロジーのあり方
第四章 「ヘボコン」、笑いの奥に潜むもの
第五章 「AIBO」供養に見る「壊れる」価値
第六章 人や社会を拡張するロボットたち
第七章 「役に立たないロボット」は本当に役に立たないのか?

出版社・メーカーコメント

ロボットは、人に代わってたいへんな作業をするためにつくられるもの。ところが、日本にはなぜか「働かない=役に立たないロボット」がたくさんいる。そのワケを探して関係者への取材を重ねていくと、「役に立たないロボット」たちには、人の生き方や社会すら変え得るほどの力が隠されていることが見えてきた。日本では、八百万(やおよろず)の神や九十九(つくも)神になじみ、道端にはキャラっぽいお地蔵さんがたたずみ、ダメなロボットが騒動を巻き起こす漫画やアニメは数知れないなど、もともと人ではないものにも感情移入して受け入れる土壌がある。けれど、それだけで「役に立たないロボット」がこれほどつくられ、人々に愛されていることの説明にはならない。二足歩行の研究を目的につくられたHONDAの「ASIMO」のようなロボットは別として、SONYの「aibo」、GROOVE Xの「LOVOT」、Panasonicの「NICOBO」、豊橋技術科学大学のさまざまなタイプの「弱いロボット」たち……。「仕事をしないロボット」が続々登場する背景には、つくる側にとっても接する側にとっても、カワイイことや癒しの効果にとどまらない、何か特別な意味があるのではないだろうか?そもそも、「役に立たないロボット」は本当に役に立たないのか?こうした感覚は、日本以外の国では通用しないのか?そんな疑問のこたえを求めて、研究者、開発者、イベント主催者、エンジニア、僧侶……関係者への取材を通して考えていくと、「役に立たない」ことと「ロボット」であることではじめて成立する、人とロボットとの新しい関係性や、労働とは違う本当の役割と価値が浮上してくる。【目次より抜粋】第一章 どのような「役に立たないロボット」が存在するのか?第二章 「弱いロボット」はウェルビーイングを引き出す第三章 「LOVOT」、人を幸せにするテクノロジーのあり方第四章 「ヘボコン」、笑いの奥に潜むもの第五章 「AIBO」供養に見る「壊れる」価値第六章 人や社会を拡張するロボットたち第七章 「役に立たないロボット」は本当に役に立たないのか?

著者紹介

谷 明洋 (タニ アキヒロ)  
科学コミュニケーター。1980年、静岡県生まれ。2007年、京都大学大学院修了(農学修士)。静岡新聞記者、日本科学未来館勤務などを経て、睡眠ウェルネスアドバイザーや、地域を旅する「さとのば大学」専任講師など、多岐にわたって活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)