書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍 要旨 近年、「陰謀論」がかつてない広がり方を見せている。国内においても、「東日本大震災は人工地震」「政府や製薬会社がワクチンで遺伝子を操作」といった根拠のない考え方がインターネット上に出回っている。陰謀論は、なぜ生まれてしまうのか。また、これらとどう向き合っていけばいいのだろうか。本書は、陰謀論の存在感が増す社会において、なぜこうした考え方が生まれ、広がり、力を持つようになってきたのかを考察している。陰謀論とは、世の中の問題について、不確かな根拠のもとに「誰かの陰謀である」と決めつける考え方を指す。昔からあり、誰もがそうした考え方をする素質を持っているものだという。しかし、インターネットの出現によって陰謀論の世界は激変し、アクセスも容易になった。陰謀論は無視するのではなく、政治がそれらとどう関わっていくのかに目をこらしていく必要があるようだ。著者は慶應義塾大学法学部政治学科教授。博士(法学)。主な著書に『シンボル化の政治学――政治コミュニケーションの研究の構成主義的展開』(新曜社)、『ソーシャルメディア時代の「大衆社会」論――「マス」概念の再検討』(共著、ミネルヴァ書房)などがある。 |
商品内容
| 要旨 |
トランプは「闇の政府」と戦っている!?オバマもバイデンもすでに処刑された!?どこで生まれるのか?なぜ信じてしまうのか?「パラレルワールド化」する世界。陰謀論は「誰もが持っている」。トランプとヒトラーの手法の共通点。陰謀論を拡散する「意外な犯人」。現代世界を蝕む病の正体を気鋭のメディア研究者が明かす。 |
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| 目次 |
第一章 陰謀論とは何か(「偶然の一致」とは思いたくない |



出版社・メーカーコメント
トランプは「闇の政府」と戦っている!?オバマもバイデンもすでに処刑された!?陰謀論はどこで生まれるのか?そして、なぜ信じてしまうのか?現代世界を蝕む病の正体を、気鋭のメディア研究者が明かす!「陰謀論を生み出し増殖させるのは、人間の中にある「この世界をシンプルに把握したい」という欲望と、何か大事なものが「奪われる」という感覚です。これらの欲望や感覚は一部特定の人間だけが持つというよりは、社会状況に応じて誰の中にも芽生えてくるものだからです。 本書を通じて、陰謀論が誰にでも関わりのある身近な問題であり、それゆえ現代社会の抱える根源的な諸課題と深いところで繋がっていることへと思いを馳せてもらえるのであれば、筆者としては望外の喜びです。 陰謀論は非常識な「彼ら/彼女ら」の問題ではなく、現代を生きる「われわれ」自身の問題であることに気づくことが、「陰謀論が支配する社会」という最悪のシナリオを回避するための肝心な一歩だと思います。」 −−「はじめに」より【本書の内容】・「パラレルワールド化」する世界・陰謀論は「他者の邪悪さを描き出す物語」・トランプとヒトラーの手法の共通点・陰謀論を拡散する「意外な犯人」・秘密結社「フリーメイソン」と陰謀論・アメリカの「不正選挙陰謀論」はなぜ拡散したか?・自尊心を支える「陰謀論的思考」・アメリカの病を映し出す「あるベストセラー」・日本に忍び寄る「陰謀論政治」のあやうさ・「陰謀論による支配」を回避するために ……ほか