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人間の条件

出版社名 筑摩書房
出版年月 2025年7月
ISBNコード 978-4-480-86749-0
4-480-86749-X
税込価格 4,950円
頁数・縦 550P 20cm

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要旨

人間に近い、時に人間を凌駕する能力を発揮し、人間固有と思われていたさまざまな能力を代替する可能性を持つAIの台頭は、私たちに「人間とは何か」という根源的な問いを投げかけているともいえる。その問いに答えるための思考を促す、20世紀の古典的名著がある。ハンナ・アーレントの『人間の条件』である。本書は、2025年に没後50年となる著者が1958年に発表した代表作『THE HUMAN CONDITION』の英語第2版(2018年)の新訳。労働(labor)、仕事(work)、活動(action)という三つの行為様式から、人間を人間たらしめる条件を、西欧思想史を踏まえながら詳細に分析し、独自の政治理論を展開している。三つの行為様式の中でも「活動」は、唯一、直接的に(事物を介さず)人と人との間で行われるものであり、「言論」を媒介して自己のアイデンティティを開示することで新しいことを始めるものだ。著者のハンナ・アーレント(1906-75)は、米国の政治理論家、思想家。ドイツの同化ユダヤ人家庭に生まれ、1933年にナチスの迫害を逃れてフランスへ、1941年には米国に亡命した。他の著書に『全体主義の起原』『過去と未来の間』『エルサレムのアイヒマン』『精神の生活』などがある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2025年9月26日]

商品内容

要旨

著者の代表作にして、20世紀の古典を達意の新訳でおくる。政治的思考の再生へ。原書第2版(2018年)に基づき、ダニエル・アレン(ハーヴァード大学教授)の序文とマーガレット・カノヴァン(キール大学名誉教授)のイントロダクションを付した決定版。「私たちが実際に行っていること」とは何か―。労働(labor)、仕事(work)、活動(action)という三つの行為様式によって人間の条件を考察した著者の代表作。古代から現代に至るまで、それぞれの行為様式がどのように発展し、互いに関係してきたかを西洋思想史への豊かで卓抜な目配りとともに分析する。科学やテクノロジーによる経験の変容と政治的思考の救済という本書が追求したテーマは、今やいっそうの緊急性を増し、新たな思想と討議を喚起してやまない。

目次

第一章 人間の条件
第二章 公的領域と私的領域
第三章 労働
第四章 仕事
第五章 活動
第六章 〈活動的生活〉と近代

出版社・メーカーコメント

現代とはいかなる時代なのか。われわれは実際に何を行っているのか。三つの行為様式から人間の条件を分析した政治理論の古典。英語第2版に基づく待望の新訳。

著者紹介

アーレント,ハンナ (アーレント,ハンナ)   Arendt,Hannah
1906‐75年。アメリカの政治理論家、思想家。ドイツの同化ユダヤ人家庭に生まれる。ハイデガーやヤスパースらに師事。1933年、ナチスの迫害を逃れてフランスへ、1941年にはアメリカに亡命。20世紀の全体主義を生み出した人間の条件と対峙することを生涯の課題とした
千葉 眞 (チバ シン)  
1949年、宮城県生まれ。早稲田大学大学院修士課程(政治思想)修了後、プリンストン神学大学にてPh.D.(政治倫理学)取得。専攻は政治理論・政治思想史。現在、国際基督教大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)