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怖くて美しい能の女たち 日本人の美意識の究極のかたち

出版社名 草思社
出版年月 2025年8月
ISBNコード 978-4-7942-2790-4
4-7942-2790-6
税込価格 2,090円
頁数・縦 222P 19cm

商品内容

要旨

能のどこが面白いのか―。そう聞かれても、すぐには答えが見つからない。けれど、「わからない」のに惹かれる。そんな不思議な魅力に導かれて、謡・仕舞・小鼓・楽屋働きまで実際に学んできた著者が、豊かな実体験と国文学の知見から綴る、新しい能入門書!

目次

第一章 葵上
第二章 野宮
第三章 紅葉狩
第四章 巴
第五章 隅田川
第六章 道成寺
第七章 砧
第八章 姨捨

出版社・メーカーコメント

能の世界に描き出された「女」というものを切り口として、能の奥深さ、面白さを考察する。能のどこが面白いのか−−。そう聞かれても、すぐには答えが見つからない。けれど、「わからない」のに惹かれる。そんな不思議な魅力に導かれて、謡・仕舞・小鼓・楽屋働きまで実際に学んできた著者が、豊かな実体験と国文学の知見から綴る、新しい能入門書!(「序文」より)「数多い能のなかから、本書では、考えに考えて、八曲を選んで読むことにした。  葵上  野宮  紅葉狩  巴  隅田川  道成寺  砧  姨捨 この他にも取り上げたい曲はたくさんあるのだが、まずはこの八曲を選んで、男女情愛の機微、恋情と諦観、女を巡る民俗や信仰、男よりも強い存在としての女、母の愛と苦悩、女の恋の執念と狂気、捨てられた女の苦悩と悲愁、そして老境と孤独、などできるだけ多様な側面から、能の表現していることを読んでみたのである。 読み解くに当たって、それぞれの曲の原拠とすべき先行文学作品、すなわち、『源氏物語』『平家物語』『大和物語』などとの詳しい比較をするだけでなく、さらにその淵源ともいうべき民俗学的な考察も加味したところである。 できるだけ分かり易く書いたつもりだけれど、なにしろ相手は古典文学と能の詞章だから、そこは読者諸賢もじっくりと読んでいただければ幸いである。そしてもし、ここに取り上げた曲が能楽堂で演ぜられる機会があったら、ぜひとも、足を運んで実際に観てほしいと思うのである。 それが私から読者への、切なるお願いである」 本書を通じて、能の見どころがわかり、「能」鑑賞のコツがつかめるのはもとより、『源氏物語』などの古典世界に対するより深い理解が進む。日本人としての教養が自然に身に付く一冊。

著者紹介

林 望 (ハヤシ ノゾム)  
1949年東京生まれ。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒業・同大学院博士課程満期退学(国文学)。東横学園女子短期大学助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社/文春文庫)で日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P・コーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で講談社エッセイ賞受賞。『謹訳源氏物語』(全十巻、祥伝社)で毎日出版文化特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)