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文真堂書店のレビュー |
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掲載レビュー全36件 |
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酒の肴にこの一冊 | ||
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池波正太郎の小説に出てくる料理がすごくうまそうだというのは、有名な話です。この本は、食に関するエッセイを季節ごとにまとめたものですが、ほかの季節に比べて冬の料理が断然多く載っています。私の勝手なイメージですが、池波正太郎の小説は冬に読むのがよく合うと思うのです。こたつに鍋、一杯やりながら『鬼平』や、『剣客商売』の世界に静かに浸る。外はしんしんとした雪景色。そんな冬がたまらん! と思っているザ・日本 …続きを見る (2013年03月14日) | ||
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知の連鎖。湧き出す好奇心の泉。源泉ここにあり。 | ||
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松丸本舗を見たときに、「あ〜、正剛さんの脳みそってこうなってるんだぁ」と感心した。本書では宗教、哲学、科学、文学、幅広い切り口で、世界と日本の文化について語られている。ホメロスの『イーリアス』『オデュッセイア』とジョージ・ルーカスの「スターウォーズ」を比較し、同じ構造であることを示したりして、本当にわかりやすい。本書のテーマを紡ぐ素材について、より深く知りたいという気持ちが心の底から湧きあがってく …続きを見る (2013年03月13日) | ||
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虫ぎらいの私ですが、こんな虫ならいてほしい!! | ||
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担当になってから約3 年、児童書でおすすめを、と考えると、どうしても自分が子どもの頃に好きだった物語が思い浮かびます。本書はその中でも特別で、私に物語の楽しさを教えてくれた恩人のような存在です。私たちの世界のすぐ近くで、目には見えないけれど生きている、不思議な虫たち。いるはずないと思っていても、もしかして、と期待させてくれるファンタジーです。難しい言葉や設定は出てこない、あくまで日常を舞台にした物 …続きを見る (2013年03月11日) | ||
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登場人物すべてが「星守る犬」 | ||
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物語は、一人の男性と一匹の犬の死が発見された場面から始まります。そこまでの彼らの辿った道のりが、飼い主の「おとうさん」を純真無垢に慕う犬・ハッピーの目線で語られていきます。彼らの旅は結果、悲しいものになりましたが、過ごした時間は濃密な幸せに満ちていました。 ただの「泣かせもの」ではなく、一人一人の「自分と犬との思い出」を呼び覚ます物語だと思います。 犬と一緒の時間を過ごしたことのある人、おとう …続きを見る (2009年08月11日) |
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都市型怪談 | ||
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夜中に隣の山本君の部屋の扉をしつこく叩く音がする。我慢できなくなった主人公が部屋から出て確認すると、そこには髪の長い、やけに大きな女がいた。それがすべての始まりだった。何の関係も無かったはずなのに、その日から一方的に主人公は付きまとわれることになる。そう、この「わけがわからない」ってのがこの漫画の一番恐ろしい所なのだ。主人公が襲われることに理由が無い。理由が無いのに理不尽な目にあってしまう。最後の …続きを見る (2007年10月06日) | ||
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「科学」ってなんだ? | ||
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タイトルに「トンデモ」とあるけれど、と学会による著作ではないのでそこだけ注意。 「トンデモ本の世界」シリーズでは、どちらかといえば妄想染みたトンチキな戯言が槍玉に挙げられることが多いけれど、こちらはちゃんと科学的な批判に耐え得るだけの理屈を持った理論が取り上げられている。そして、それらの説がかなり中立的に、科学的に検討されている。我々はつい結論だけ見て飛びついたり遠ざけたりしがちだけれど、大切な …続きを見る (2007年10月06日) | ||
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読んで強くなる柔道漫画 | ||
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この作品が他の柔道漫画と一線を画すのは、その圧倒的なまでのリアリティにある。初めの方はそうでもなかったのだが、6巻あたりから急激にリアリティを増していった。そのくせ、競技をやっている人間すら知らなかったような技をどんどん出してくるのだから頭が下がる。頭の中だけでひねり出したような空虚な必殺技なんかじゃなく、ここに登場するのは全て実在する技ばかりだ。実際使えたから間違いない。柔道に対する考え方なども …続きを見る (2007年09月20日) | ||
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まさかの展開 | ||
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初めは絵柄だけ見て「またあずまんが系の話か」と思っていたら、中身は漫画太郎の系譜で度肝を抜かれた。必然性も何もない突拍子もないところから始まり、なんだか訳のわからないうちにテンションだけ上がりっぱなしで話が終わってしまうその様はまさにジェットコースターのよう。なんだか分からないがとにかく何かを読んだ、という気分になれるだろう。合わない人間には徹底的に合わないタイプの漫画なので、評価は人によってかな …続きを見る (2007年09月20日) | ||
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ハードボイルドグルメ漫画 | ||
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感覚を人に伝えるのはとても難しい。だから、グルメ漫画というやつは「これこれこういう理由で、だから美味しいんだよ」という理屈で攻めるタイプと、オーバーなリアクションで美味しさを記号化しようとするリアクション芸の二種類に大体分類できる。そんなようなあまりにもマンネリな状況にいささかうんざりしていたところでこの漫画に出会った。一人称に固定された視点で描かれる、どこか社会の仕組みから浮いたような立ち位置の …続きを見る (2007年09月19日) | ||
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「科学」とはなんぞや | ||
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科学哲学なんて分野がこの世に存在する事を知っている人間は果たしてどれくらいいるんだろうか。下手をしたら当の科学者自身も知らない人が多いかもしれない。私たちはいつも「科学」とひと言で済ませてしまうけれど、いったい科学を科学たらしめている条件というのは何だろう。或いは、科学という手法は何処までのことを知る事ができるんだろうか。というか「知る」ってなんだ? と真面目に考えてる人たちがこの世の中にはいるの …続きを見る (2007年09月16日) | ||
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昔は素晴らしかった? | ||
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宇宙に進出する事が可能になった程の未来の世界。そんな中で主人公はあえて便利な生活を捨て、数百年も前の伝統的な生活(なんと狩猟採集生活だ)を営むために有志を募り、未開の惑星へと移住する。初めの内は順調に見えたその暮らしも、やがて様々なひずみが生まれ、そのたびに主人公は葛藤する事になる。読み手の立場によって様々な読まれ方をするだろうな、と感じた。ある人には文明批判に見えるかもしれないし、違う人には懐古 …続きを見る (2007年09月16日) | ||
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上質の短篇集 | ||
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この作者の特徴としてストーリーの「説明」が極端に少ないというのがある。何故そうなったのか、何故そういう行動をしたのか、という説明は基本的に無い。キャラクターもそれを語らない。ただキャラの行動が描かれるのみである。そんなわけで、このマンガの面白さを人に伝えるのはとても難しかったりする。ちなみに漫画好きの友人たちに読ませた時の感想は「なにこれ、すげえ」と「面白い」の二種類だった。ただ、上述のように極端 …続きを見る (2007年09月05日) | ||
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話はわかった。で、ソースは? | ||
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環境危機が叫ばれて久しいが、その危機が解決したという話はなぜかあまり聞いたことがない。実のところ結構いろんな分野で環境問題は改善されつつあるし(もちろんまだ十分ではないけど)、それどころかそもそも危機なんかじゃない場合さえある。と、いうようなことがちゃんとしたデータや計算に基づいて述べられているのが本書である。もちろん著者は「だから何もしなくて良い」と言っているわけではない。ちゃんと仕事を評価しな …続きを見る (2007年08月31日) | ||
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伝統ってなんだろうか | ||
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日本の伝統文化、と口に出すとあたかも連綿と同じものが続いてきたような印象を受けるが、食べ物一つとってみても随分変化してきていることが本書を読むとわかる。意外なものが随分古くからあると思えば、逆に昔からありそうなものが割と近代に根付いていたりするのには驚く。文化が変化していくことを嘆く声も多いが、こうして見るとそれもまた避けられない流れなのだという気がする。文化というものは決して過去をそのまま受け継 …続きを見る (2007年03月11日) | ||
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タイトル部分は正しいが…… | ||
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最近捏造が発覚して俄かに(悪い意味での)注目を集め始めた健康番組について、その出鱈目を鋭く突いた本……だと思って購入したのだが、そういう話は前半にしか書いてなかった。後半は急に著者独自の健康理論が展開され始め、こちらは置いてけぼりになった気分でキョトンとするばかり。「都合の悪いデータは言わない」「根拠のない発言をする」等、せっかく前半で健康テレビが使うペテンのやり方を書いているにも関わらず、自説の …続きを見る (2007年03月08日) | ||
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ああ玄妙なる日本語の世界 | ||
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いや笑ってしまった。なにせ女性器の表現だけで軽く百種類を超えるのだ。ずらっと並んだ索引を見るだけで圧倒されてしまうだろう。一見したところ全く関係ない言葉なのに、実はそれがアレやソレの隠語であるとわかってしまうと、なにやら並んだ文字列から禍禍しささえ感じるほどだ。迂遠な比喩表現や大げさなオノマトペなど、小説技法としてはむしろやってはいけないことばかりなのに、そんなセオリーをぶち破るほどの力がそこには …続きを見る (2007年02月26日) | ||
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あれれ、おかしいな?と思ったら | ||
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論理で人をだます法、というよりは論理で人に騙されないためのノウハウが満載の一冊。人間おかしなもので、自分の主張を通すためにいつの間にやら妙ちきりんな論理展開をしてしまうという事は悪気のある無しに関わらず案外ちょくちょくとある。また、いわゆる世に言うトンデモさんなんかはこの手の欺瞞に満ちた論旨で人を騙そうと狙っているわけで。そうした人にうかうかと騙されないため、また自分でもうっかり人を煽動しないため …続きを見る (2007年02月19日) | ||
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なぜ大惨事は起こるのか | ||
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必ず年に何度か、世界のどこかでは重大な事故が起きている。事故が起きたということは報道されても、その後の調査の結果がどうなったのかが知らされる事はほぼ無いといって良い。例えばチェルノブイリの原発事故の原因を知っている人は果たしてどれだけ居るだろう。でも、本当に大事なのは「その後の調査」の方なのだ。多くの事故は、元をたどれば本当に下らないことが原因で起きたりする。それはちょっとドアを閉める力が弱かった …続きを見る (2007年02月04日) | ||
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ありえたかもしれない過去 | ||
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書名や帯の煽り文句だけみると下らないビジネス書のように見えるが、さにあらず。まず前半は確率論についてかなり詳細に解説してくれる。この手の本は大抵期待値の話をして「宝くじを買う奴なんてバカだよねー」みたいな感じで終わらせてしまうのだが、この本ではそういった一見不合理に見える行動の裏側にあるものにまで話が及ぶ。そうやって、著者の話は次第に意思決定論、社会的なリスク論、命の価値などへと広がっていく。恐ら …続きを見る (2007年02月01日) | ||
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知の衝突、というよりは単なる駄目出し | ||
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かつてソーカル事件というものが有った。日本では全くといっていいほど話題にならなかったが、哲学の一分野に置いてはまさに激震が走ったと言ってもいいだろう。要するに、物理学の教授が適当に難解そうな科学用語をちりばめて当時流行っていたような思想(ポストモダンとか呼ばれる事もある)をパロった論文を権威ある人文雑誌に送ったら、なんと受け入れられてしまったという事件がアメリカであったのだ。そのほんの数週間後にソ …続きを見る (2006年12月11日) | ||
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